14/11/2 飯舘村 猫撮るレポート4:猫を守る戦い
蕨平へ
■イチローの家
「今日はボランティアが多いから給餌は任せて、私はまだおさんと蕨平の給餌台を更新する予定」と毎日のように犬猫の給餌に通う日比さんに伺っていましたので、ご挨拶に。
村に来たら日比さんのニコニコに会いたくなります。
ボランティアの「まだお」さんとは初対面。
僕が到着した時には、すでに新型給餌台の設置が佳境に入っていました。
日比さんが監視カメラを設置し、給餌台を猫が利用しているか、どんな野生動物がどのように侵入しているかを把握。
そのデータをもとにまだおさんが給餌台を次々改良しています。
このところ給餌台のフードの減りが速まっています。
野生動物が一晩で2~3kgのフードを根こそぎ胃袋に収めてしまい、しかも汚していきます。
猫の命をつなぐため、ボランティアの給餌の負担を減らすためにも、非常に意義のある活動です。
ただこれまでは、野生動物にやや軍配が上がっています。
改良後しばらくはフードを守れても、野生動物はあの手この手で人間の知恵を上回ってきます。
「野生動物の生きようとする力はすごいですよ」
まだおさんの一言が苦労を物語ります。
アナグマ、アライグマ、ハクビシン、カラスが目下のところの強敵です。
「四本足を一本足に変えたら、野生動物のよじ登りをほぼ防げるようになった」という共通の対策のほか、
場所によって野生動物の種類や侵入方法が違っているため、個別の対策も重ねています。
■交差点の家
蕨平で唯一人なつこい居着き猫、キジトラの「ラビ」ちゃんに会いたくて交差点の家へ。
給餌台で食事している「ウルイ」に遭遇。
ややビビリな彼には必ず距離を置かれてしまいます・・・・・・
しかし、食いしん坊ゆえ遭遇率高し。
マンツーマンで付き合えば人になれるかもしれませんね。
動くと飛んでいってしまうので、同じような写真しか撮れません…
ラビやウルイの暮らす家の先に「減容化施設」が作られています。
放射性廃棄物の焼却施設です。来年の3月までには稼働し、一日あたり100台のトラックが行き交うようになります。
猫たちの脅威となることは間違いありません。
■栗の碑バス停
給餌台の50mほど手前で「すず」を発見。車中から慌ててパシャリ。
給餌台の近くに車を停め、徒歩ですずのいたあたりに戻ってくると姿なし。
いました。
どうやら車を追って、給餌台のそばに来ていたようです。
僕のことご飯係ってわかったんだね、賢いね。
男らしい大きな丸顔を写したくて、接近を試みました。
警戒モード全開。怖がらせてごめんね。
人への恐怖心を持ちながらも、自分の姿を見せ続けたすず。
「食べたい」
彼の生への執着と生きづらさを見た気がしました。
「さっき、まだおさんと色々改良したから、後で見てみてねー」と日比さんが仰っていた給餌台。
ここはアナグマが強敵になっているそうです。
給餌台の土台付近を掘り返すアナグマ対策に地面にも波板が。放っておくと土台ごと倒されてしまいます。
よじ登り防止策として、一本足の土台のほか、小屋の内側の壁にも波板が貼られています。
11月19日現在、対策は功を奏しています。
「セリの家」「イチローの家」「交差点の家」「栗の碑」のBOXは、「まだお型」に更新されている。中2日になっていたが、順調な食べ残り方だった。
(日比さんブログより抜粋)
日比さんのブログ→「飯舘村訪問日記582 2014/11/19」
■セリの家
セリ不在。
当日の帰路のフェイスブックへの投稿です。
「2014.11.2 飯舘村
今日は暖かく穏やかな気候でしたが、秋は深まっています。
もうすぐ犬猫にとって厳しい季節がやってきます。
もう4回目の冬ですね…
生きている子は、よくがんばってます」
蕨平は、村内で唯一立ち入りが禁止されている「長泥地区」と接しています。
長泥地区に匹敵する放射能が降り注いだ場所です。
もし村民の帰還が叶うとしても、他の地区に遅れを取ることが想像できます。
加えて、長泥地区の閉鎖でアクセスが悪くなっています。
村の中心部から離れているため、ボランティアの訪問も少な目です。
2月の大雪では他の地区よりも長く道が閉ざされました。
ここは、村の中でも犬猫が生き延びるには特に厳しい環境といえるかもしれません。
[つづく]
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