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14/7/1 飯舘村 猫撮るレポート3:ムクとマメ

7月1日の飯舘村犬猫訪問レポートその3です。

■長泥ゲート近くのお宅

久しぶりに長泥のゲートまで来てみました。
ゲートの向こう側は飯舘村にある20の行政区のうち、唯一立ち入り禁止の帰還困難区域に指定された「長泥地区」です。
ここから先は許可を持っている住人しか入ることができません。
日中はここに警備員の方がいます。放射線量の高い場所ですので内心ここで仕事をすることに不安を持っている方もいるのではないかと感じます。
そもそも人の健康を害するかもしれない危険を冒してまで、守るべき何かが今もこの先にあるのでしょうか。
長泥地区には少なくともこれから長い時間、人が住むことはできません。住人はすでにそれを前提に新しい生活に目を向けているはずです。
もちろん住人にとって大切な場所であることは理解しています。
充分な賠償が出ないことや、仕事を奪われたこと、将来は村に戻って暮らしたいと考えている方がいること、住人の方たちが今も大きな不安を抱え苦しい立場にあり、故郷を心のよりどころにしている方がいることも理解しています。
住人の出入りの安全確保、入ったら危ないから人が入らないように、防犯上の理由からなど人を配置する理由もわからないわけではありません。
しかし、それでもなお過酷な被曝労働が必要なのかと思ってしまいます。遠隔で監視するという方法でもいいような気がするのですが?
私たちは何を一番大切にして生きていくべきなのかと考えてしまいます。
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2度目の訪問。前回はシャムミックスのかわいいメス猫さんに会いました。
しかし、この日はお留守のようでした。しばらくわざとらしくカンカンと缶を鳴らしたり、「ごはんきたよー」と叫んでみたりしましたが、猫には会えませんでした。
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猫の姿を追い求めてウロウロ
素敵なガラス窓を見つけました。
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もうすぐこのお宅でも除染がはじまります。
このお宅も住居のすぐ裏は森です。除染は住居から10mのところまでと聞きました、その外側の放射性物質は無視してことが進みます。
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■ムク

「おう、来たのか」
来ました、おはよう。
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真顔。
これでも喜んでいます。
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これでもです、とても喜んで近くに寄ってきてくれます。
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スリッ、ご機嫌でござるよ。
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「カリカリでも食べるかな」
食事前のご機嫌なひとコマです。
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「うんめ~」
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ウェットもどうぞ
「おお、そうか、じゃあいただくかな」とウキウキです。
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食後の散歩中のひとコマ。
ムク、かわいいぞ。
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ムクは美しく雄大な自然の中で育ってきました。
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「散歩は楽しいぞ、ついて来い」
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ムクが立ち止まった場所のすぐ先には、放射性廃棄物の入ったフレコンバッグが。
ムクの家でも除染が始まっています。
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「危ないからあれには近づかないようにしてるんだぜ」
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「み、見るなよ・・・」
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「食べたし出したし、寝るからさ」
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「最近のお気に入りのベッドだぜ」(推定)
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「おれは忙しいから、もう遊んでやらないよ。でもまた来いよな」
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■マメ

車を降りると、もうすぐそこにマメの姿が…あわててパシャリ
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少し手前でゴロ~ん。
これだけを見ていると、のどかな風景にしか見えません。
しかし、このあたりの空間放射線量率は3.0μSv/hを超えるところも少なくありません。
※人が住んでいいとされるのは0.23μSv/h以下です。
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「よっと、膝にでも乗ってあげようかな」
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「最近は膝に乗ってあげるんだよ。そうするとこのおじさん喜ぶからさ」
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ゴロ~ん。
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「よっと、少し何か食べようかな」
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はい、どうぞ。
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「あー食った食った、じゃなくて…あーおいしかったよ」
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「むむ、何かいる」
野良猫だよ。
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「今日は気持ちのよいお天気だね」
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「あーお腹いっぱいだよ」
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「ペロペロ」
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「あ、いま少し忙しいんだ」
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「おやすみ」
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「え、もう帰るの」
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シャキ!
いや、まだいるよ。
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「じゃあ、ここでポーズを決めるね」
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「あ、やっぱり眠いかも」
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「ここで眠ろうかな」
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久しぶりにマメと長い時間を一緒に過ごしました。
最近のマメはよく膝に乗ってきます。ひとりで過ごす時間が長くなるにつれて、人恋しさを募らせているのだと思います。

マメと出会った当初、僕はこんなに人なつっこい子がひとりでいるのはかわいそうだと感じて、保護したい衝動にかられていました。
しかし、その後飼い主のおじいちゃんに何度か会ううちに、マメはおじいちゃんのことが大好きだし、おじいちゃんもマメのことが大好きだから、無理に引き離すのはいいことではないと考えるようになりました。
ここにいればマメは確実に毎日被曝します、そのことは本当に心配です。
人の住めない場所に犬や猫をとどめておくことのおかしさも感じています。
しかし、それでもなおマメはここで、何日かに一度であったとして大好きなおじいちゃんに会える生活の方が幸せなのではないかと考えるようになりました。

理想を言えば、今すぐに仮設住宅であったとしても飼い主と一緒に暮らせるのがいいのだとは思いますが…
しかし、今すぐにそうなることはありません。
そのことで、飼い主たちの多くはずっと苦しい思いをしてきています。

犬猫のことを思うあまり、「動物がかわいそう」という感情が強くなりすぎることがあります。
たしかにかわいそうです、どうにかできるものならどうにかしてあげたいです。
しかし、同時に愛する犬や猫を、無人の放射線量の高い家に置いておかざるをえない飼い主の苦しい胸の内も理解する必要があると思います。

レポート2でお伝えした通り、村では猫が野生動物に襲われる事件が発生しています。
この地ではいつどの子に何が起こっても不思議ではありません。
中には飼い主のいない猫や飼い主と交渉すれば里子に出られる猫もいます。
もし、あなたが犬や猫を本気で救い出したいと考えているなら、できることがあるはずです。
何かが大きく変わるのを待つのではなく、目の前の小さな現実を変えることの積み重ねがとても大切と感じます。
ひとりひとりの行動はたとえ小さくともそれが積み重なった先に、今よりも少しだけ明るい現実があるのではないかと感じます。

やるせない現実を前に怒りが湧いてくることも少なくありません…正直。
でも、僕は怒りではなく優しさを持って行動したいと考えています。
そうすれば、今よりも少しだけ優しい現実が自分の目に映ると信じています。

ああ、少しばかり語ってしまいました…照

そして、マメの家を後にしたのは10:30AM…レポートはまだつづきます。

 

つづく

 

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飯舘村で撮影した犬猫たちのポストカードで、7枚セットが2種類各1000円です。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。

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