重たい気持ち(6/3)1:猫欠乏
2014年6月3日の飯舘村犬猫訪問レポートです。
6月2日、飯舘村へ向けて出発する当日。
先週に続き「さくらのぜんそくの発作が起こり、村へ行けるかは様子を見て決める」という心配なメールがIzumiさんより届く。
発作は先週よりもひどかったらしく、週2回の通院治療をしばらく続けることになってしまったそうです。
ぜんそくはアレルギー性のものとのこと、
「村から東京へ連れてきたことで、さくらのぜんそくが発症したかもしれないと思うと…」とIzumiさん。
気持ちはわかるけど、さくらを連れてきたことは決して間違いではないと思います。
だって、人のいない村では何かあっても人が手を差し伸べるチャンスすらないのかもしれませんし、命を脅かすリスクはそこかしこにあるのですから。
最後まで命に寄り添う覚悟があれば、あの選択は今の状況の中ではベストであると思います。
さて、さくらさんはネブライザー治療により先週同様症状が落ち着いたとのことで、Izumiさんは村へ行くことを決断。
日付がかわる少し前に浅草集合。
遅い時間なのにチーム銀次手芸部miikoさんが積み込みのお手伝いをしてくださいました。
重たいのを率先して持っていただいて…ありがとうございます。
今回も上村雄高写真展「Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち」へお持ち寄りいただいたフードを村の犬猫に届けてきます。
たくさんのご来場、ご参加ありがとうございます。
この日は久しぶりに重たい気持ちを持って村へ向かいました。
写真展がはじまってから6週連続での村訪問になりますが、続けて行けば行くほどに犬猫の置かれた状況がもう一生変わることのないもののように思えてきます。
村に行きはじめた頃には、1年後にはこの子たちは救われているのではないかと漠然とした希望を持っていました。
しかし、2年以上がたった今でも彼らの置かれた状況は変わっていません。
結局のところ、人の状況が改善されなければ犬猫の状況が変わることもありません。
春になり村では除染作業のピッチがあがっています。
しかし、除染というものが人の状況を改善するとはどうしても思えません。
もしそうであるならば、犬猫はこの地に縛り付けられたまま飼い主と離ればなれのまま消えて行くことになります。
そんなことを考えていたら、悲しくなってしまって…犬猫たちに申し訳なくなってしまって。
いまの人生は一度だけです、紆余曲折があったとしても一番幸せと感じられる終着点にたどり着いてもらいたいと心から願います。
そして、そのために僕にできることがあるのなら必ずやりたいと思います。
■蔵の倒れたお宅
給餌台のエサは確実に猫たちの命をつないでしました。
まだ子猫の面影を残すキジ白と三毛猫がほんの少しだけ姿を見せてくれました。
僕らが来たことに気づいたのなら、立ち去ったらすぐに食べにくるだろうとウマウマウエットを準備。
豪勢に盛っておいたので、後で食べてねー。
■そのお隣のお宅
猫は不在、ドライフードを追加。
この表のエサ場以外にも建物の中にもエサ場があることを確認、表のエサ場が野生動物に荒らされても猫が食べられるようにとの人の優しさを感じます。
目の前の農地はのっぺらぼう。
立ち去ろうとした時に、ふと姿を現し家の裏へ入って行く猫を発見!
回り込むと…まだいた
はじめて会う猫、きみもここで生きているんだね。
■ゴルゴ母さんと子供
除染現場を背中にニコニコ
除染よりメシメシィィィィ
そりゃそうだね、除染はおいしくないもんね…それでもうけている人以外にはね
小躍りする。
ゴルゴみたいな顔をしているのに、意外とかわいらしい。
お腹をすかせていたのか、いつもよりほんの少しだけ表に出てきてくれたように感じました。
見た目も行動も何も変わっていないように見えますが、なんとなくほんの少しだけ心が緩んだような気がしたんです。まだまだ固く閉じてはいますが、ほんの少しだけ。
うめぇ
うめぇ
犬のうれしそうな顔を見ていると、こちらの心が救われます。
はぁ、喜んでもらいたいと村に来ているのに、元気をもらうことになるとは…あ、いつもそうか。
いつもと同じように見えるのですが、伝わってくるものが少し違って感じられました。
すぐに仲良くなれるとは思いませんが、いつかお母さんのように小躍りして喜ぶ姿を見せてくれたらなと思います。
彼にとってもいまの生涯は一度だけなのですから。
■キジ白親子のお宅
食べてますね!
日比さんがこの地区を訪れてから中1日、給餌台のエサは猫のお腹を満たしてくれていました。
家の裏から縁の下へ消える母さん猫を発見。超無愛想さんだね。
表にきた。なにその顔…無愛想でかわいいです。
少し前に風邪で体調を崩していましたが、すっかり元気になっていました。
よかった。
カロリーエースをごくごく。
うめぇ
子供もきた
何かが少し足りない模様の感じが、かわいいと思います。
目の前には除染ででた放射性廃棄物の入ったフレコンバックの山。
訪れるたびにその量は増えています。
■シャッターの給餌ボックスのお宅
ガラガラガラーッ
先週、シャッターを開けた瞬間に猫が飛び出していったので、僕はもしもにそなえてカメラを構えてました。
「ボックスのふたにンコーーー」とIzumiさん叫ぶ!
おそらくハクビシンの仕業
ボックスはすっからかん
ここまできれいに食べ尽すのは猫以外の動物
満タン補充。
■石材店
今日は猫との交流が少ないな、そろそろ猫と戯れたいな
と期待を持って訪れるも、残念ながらなつっこいチロは不在
先週は何者かに倒されていたエサ代は無事。
ほかの動物も食べているかもしれませんが、ギリギリフードが残っていました。
おいしそうなやつを補充。
猫がいないので花の写真。(Izumiさんの真似)
[つづく]
■写真展のお知らせ
『Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち』
会期|2014年 4月23日(水)~6月8日(日)
※会期が延長になりました。
@ ギャラリー・エフ 浅草[HP]
東京都台東区雷門 2-19-18 [地図]
12:00~19:00(最終日は17:00まで)|火曜休
※水曜日のみ20:00まで
入場無料(犬か猫のフード1品をお持ち寄りください[任意])
※フードのお持ちよりは任意です。フードをお持ち寄りいただかなくても展示はご覧になれます。
村の犬猫にあの子にこれを食べさせてあげたい、そんな気持ちをお持ちいただけましたら、ぜひフードをお持ち寄りください。
自分の犬猫とかわらない存在として、彼らを想っていただけたらうれしく思います。
※フードは飯舘村の犬猫に届けさせていただきます。
[写真展詳細@ギャラリー・エフHP]
[フードについて・ウマいメシお品書き]
▼猫撮るブログ内のお知らせ記事もよろしければご覧ください。
写真展『Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち』@東京・浅草(4/23~5/26)
最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。
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