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14/11/2 飯舘村 猫撮るレポート3:猫の餌場まわり

■親子猫西

納屋の一階の給餌台、二階の餌場ともに空っぽ。
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白猫兄弟に会いたいと訪れたものの、「にゃーん」に振り向くとキジトラさんが。このお宅の飼い猫「バナナ」ですね。
飼い猫なのにシャイです。
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ご飯の用意をはじめると・・・・・・
一変!
とまではいきませんが、近くにやって来ました。

「メシマダカー」
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「メシドコダー」
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「メシヨコセー」
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「写真撮ってないではやくしてください」
「おっ日本語かよ」
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「全部日本語だよ」
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うるさいバナナにご飯をあげだまらせ、二階へ。

「・・・」
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「・・・」
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「・・・」
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うんともにゃんともいいません・・・
この白猫さんは、不妊去勢手術の際にボランティアの日比さん宅に親子で宿泊し、ご飯を催促するまでに人なれの気配を見せました。
保護受け入れ先がなく、その後1年村で生きています。
日比さんは親子猫をリリースしなければならなかったことに胸を痛めています。

「懐っこい母と子だった。家にいたのは二日だったが、私の顔を見ると空腹を訴えるほどだった。ゲージ内のシート交換の時も「シャー」と云うこともなく、爪をたてることもなく、脱走を試みることもなく・・・
誰かが帰ってくる当てのない場所、生きていくのは厳しい場所に放り出した。これからどれだけフォローしても、心の傷は癒されることはないだろう」
日比さんのブログ「飯舘村訪問日記281 2013/10/22」より抜粋

兄弟の白猫も姿を見せてくれました。
目がやや四角っぽい子。
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見上げると熱視線
「ハヤクカエレヨ」
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下からも熱視線
「ハヤクカエレヨ」
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「ハラッヘッテンダヨショボーンダヨ」
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すみません。もう行きます。
それにしても白猫兄弟はシャイです。
「ハチ」には会えませんでしたが、あいつもシャイです。
でもマンツーマンで鍛えたらベタベタになるのかな・・・・・・

ふざけましたが切り替えます。

白猫兄弟にとってもうすぐ二度目の冬がやってきます。
彼らは人が運ぶご飯を頼りに生きています。
今日会えたらからといって、明日も会える保証はありません。

人が原発を爆発させて、彼らに過酷な暮らしを強いています。
しかし彼らは人を恨んではいません。
いつも悲壮感に満ちているわけでもありません。
ただただ今を生きています。

彼らを生きづらい環境に追いやった人には、彼らに違う変化を与える力もあります。

 

■親子猫東

黒い袋の先に広がる黄色はセイタカアワダチソウ。
2012年秋に原発の近くで見た黄色く染まった風景を思い出しました。
人が住めなくなった土地の象徴のひとつかもしれません。
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いつもの距離ですね。
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近くに寄ってくるようになりました。
以前は、いつもの距離から回れ右だったのにね。
これも過酷な環境で生き抜くための変化。
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でもシャイです。
まるで僕の幼少時代を見ているかのようです。
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この子も親子猫西の白猫兄弟と同時期に生を受けました。
そして、この地で1年を生き抜いてきました。

よく見てください。
薄汚れて警戒心を滲ませていますが、あなたの猫と同じ目でみつめてきます。
何も違いのない存在です。

僕がご飯の用意をしていると、カラスの鳴き声が響き渡ります。

 

■サロン

カラスよけネットの隙間から覗くキジトラさん、初めて見た子です。
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いつもの「玉男(仮)」はいつもどおり悠然。
「ふっ、メシもってきたのか」
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給餌台はほぼ空っぽ。
最近はフードの減りが速い、荒らされる場所が増えています。
野生動物の侵入を防ぎきれていません。
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初顔の茶白登場!
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「・・・」
見つめ合っちゃった(照)
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「・・・」
見つめ合っちゃった(照)
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右のキジトラさん そわそわ+警戒
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よっぽどお腹が空いていたのか、ウェットを用意して少し離れたらこの通り。
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近づいたら2m引いたね、ごめんさない。上の写真右の子です。まんまる。
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おれも視線
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違うキジトラ
写真が撮れなかった子もいますが、全部で8匹。
キジトラ4、茶白2、茶トラ1、キジ白1
周辺のお宅で除染が進んでいるため、居場所を失った猫が餌場に集まってきているようです。
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「おれもー」
このまま行くと仮名が「おれも」になりそうな勢いですね。
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■工務店

1ヶ月以上姿を見せなくなった「ダイク」に会いたいと訪れましたが不在。
以前はだいたい木材の上でご飯を待っていました。
しかし、10月に別のボランティアさんがダイクに会ったことが確認できました。
少なくとも10月にはダイクは生きていました。
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ここの常連のキジトラさん。
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ここも給餌台に野生動物が入り込み荒らしています。
猫の胃袋には厳しい環境です。

 

■アプローチ最長のお宅

いっときは10匹ほどは猫がいたはずですが、この日は誰も姿を見せず。
頻繁に訪れている日比さんのブログでも、このところ姿が確認できるのが2~3匹ほど。
除染で、散乱したものや草木が一掃されていました。
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給餌台は猫が食べたであろう減り方をしていました。
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ここで暮らしていた「おきもの」くんが亡くなり埋葬されたことが後日わかりました。
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行けば会えると錯覚してしまいますが、もう一度会える保証はありません。
食べ物の不足、野生動物の脅威、そして冬の寒さが苛酷さに輪をかけます。
東京から250kmほどに存在する現実です。

 

つづく

 

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