仁義メシお届け(5/27)2 : 気になる猫
5月27日の飯舘村犬猫訪問レポートその2です。
■みーちゃん
車を降りて「みーちゃーん」と呼んでも姿を現しません。
お出かけ中かなと思ってあたりを見回すと…
いた、ずーーっとあっちの軒下で雨宿り。
目が合うと、こちらに向かってスタスタスタ。
今日も真顔ですね。
写真だとあまりうれしそうに見えないんですよね。僕の腕の問題かな…
Izumiさんがエサ場をのぞくと、キジ白猫が駆け出して行きました。
エサのありかを覚えて寄ってきているとしたら、それはうれしいことです。
みーちゃんは迷惑しているかもしれませんけどね。
ムシャムシャ。
少し食欲が落ちているという話も聞いていましたが、元気そうにしていました。
ただ、少し前から後ろ足など被毛が薄くなっている部分があり「疥癬」の疑いありとのこと、うーんなんでもないといいのだけど。
マァマァが同じような症状で疥癬と診断されたんですよね…
まだまだ若々しく見えるのですが、みーちゃんは15歳以上の高齢だそうです。
人よりも時の流れが速い猫、飼い主と離ればなれの生活もすでに3年。みーちゃんに残された時間がどれほどかはわかりませんが、幸せと感じられる時間が再び訪れることを願わずにいられません。
長居しようと思えばいくらでも長居できるのですが、この日はみーちゃんのなつき心に火がつく前に次のお宅へ向かうことに。
■ココちゃん
月に1度会えたらラッキー、ほとんど幻の猫と化しているココちゃん。
この日も姿を見せてくれませんでした、残念。
しかし、給餌台のフードには猫が食べた痕跡が。
一時はハクビシンに占領されていた給餌台ですが、他のボランティアさんが掃除と消毒を徹底的にやってくれたおかげで、再び猫のエサ場として命をつないでくれています。
ボランティアさんたちの村の犬猫への愛情には、本当に頭が下がる思いです。
ココちゃんのお宅にも除染範囲を示すピンクのテープ。
■神社
神社でお手洗い休憩。
神主さんがいらっしゃったので、お茶をごちそうになりながらしばしお話を聞かせていただきました。
この地区の除染も近くはじまるとのこと、神社からスタートするそうです。
今回の除染は住居周りのみが対象、本殿のある山もと希望したそうなのですが叶わなかったそうです。
犬猫を訪ねて回っていることに感謝と労いの言葉をかけていただけました。
僕は村の犬猫に会いたいのとごめんなさいが行動の動機になっていますので、それが村の人たちに寄り添ったものになっていると思っていただけていたら、これからも続けていく力になります。
■大火BOX
ガラッとシャッターをあげると、サバ白猫がダッシュで走り去って行きました。
びっくりさせてごめんね。
逃げて行ってしまいましたが、おそらく2年前に一度だけ見たのと同じ猫だと思います。
彼も僕と同じだけの時間を生きてきたんですね…
生きていてくれれば、僕にもやってあげられることがあります。
生きていてくれてありがとうと思わずにはいられません。
ドライフードには猫が食べた痕跡が。
ここもハクビシンが侵入しているらしくフードの減りが早いエサ場です。しかし、猫も食べていることがわかりましたので、これからも出来る限り立ち寄りたいと思います。
雨は降り続いています。
■石材店のチロ
車の音を聞きつけて登場したチロ。
今日も目つきがわるですね。
目つきはワルですけれど、人の後をついてまわるなつっこさ。
給餌台が倒されていました。
中のトレーを引っ張りだそうとして、穴につっかえて台ごと倒されたように見えました。
手を使える猿のしわざでしょうか。
人がいないことで、野生動物の活動範囲が広がり犬猫にも影響が及ぶことも少なくありません。
野生動物も必死です。
なつっこくない茶トラもご飯を待ってます。
ウマウマー
ゴクリッ…
なつっこくないのに人の運ぶご飯を頼りに生きる命を見ると、とても切なくなります。
なつっこくなってくれたらうれしいですが、そうでなくても彼らの存在を知るものとして出来る限り彼らの命を守り続けて行かなければと思います。
人が起こした原発事故によって、彼らは厳しい境遇に追い込まれたのですから。
雨は明け方までの予報だったのな…よく降りますね。
■アプローチ最長の家
実は最近、このお宅の猫たちがとても気になります。
通りから奥まった場所で、人に気づかれることなく生まれ育ってきた猫たち。
日比さんに発見されてからは、人の運ぶエサを頼りにできるようになりました。
しかし、それ以前は一体どうやって生きてきたのでしょうか。
もしかしたら、人知れず生まれ失われていった命もあったのではないかと思っています。
どの子もまったく人になついてはいないのですが、それは今の村では生きるための弱点となってしまうこともあります。
この子たちも元々はなつっこい愛らしい猫になる資質を、他の猫と同じようにもっていたはずです。
彼らを生きづらい境遇に追いやってしまったのは、やはり人です。
ごめんねという気持ちは当然強くかんじるのですが、同時に愛おしくも感じます。
人を警戒しているのに車の音に反応して出てくる偵察役の茶トラくん、ずんぐりな体型が家の外猫しじみちゃんを連想させる三毛さん
どうしてだか心にひっかかります。
まだ子猫の面影を残す子たちですが、保護してもこれから人になつくのは難しいのかもしれません。
保護しても彼らの幸せにつながらなければ意味がありませんから、自分なりに彼らが少しでも楽しいと思えることは何だろうと考えていきたいと思います。
彼らにとっての幸せな未来ってどんなものなのだろうか…
猫の姿は見えませんでしたが、たくさん猫がいることはわかっていますので人が来た時だけしか食べられないウェットフードを多めに用意しました。
黒の多い三毛さんだけが姿を見せてくれました。
5m…もっとかな、そよりも近づくと姿を隠してしまうほど警戒心が強いですが、それでも「わたしはここにいるのよ」と伝えてくるかのように、遠くに佇む姿はかわいくてたまりません。
離れていても動くと逃げてしまうので、なかなか別の角度からの写真が撮れませんが、いつかこの子たちのかわいさを写せる人になりたいなと思います。
■蔵らの家
このお宅に続く道路やアプローチは除染が本格的にはじまっています。
お昼休みなら敷地に入れるかな思い、予定を変更して昼時に突撃しました。
正解!
住居周辺の除染もすでに始まっていました。
前日に、日比さんが三毛猫を久しぶりに目撃されていたので、もしかして会えるかもしれないという淡い期待をいだきつつ…
留守でした。
頻繁に通う日比さんでも月に一度会えるか会えないかですから、そうそうタイミングよく会えませんよね。
ウェットを補充。
本格除染前の森林除染で、竹が切られて枯れていました。
ここものっぺらぼうにされてしまうのですね…
しばらくの間、猫たちの居場所がなくなってしまうかもしれません。
13:00 役場でお昼休憩。
今回もIzumiさんのお母さまがおいしいおにぎりとおかず(肉じゃが)を作ってくださいました。
手作りの食事、とてもおいしくほっとします。
ごちそうさまでした。
この日も村に入っていた大先輩「日比」さんが役場まで来てくださいました。
日比さんにお会いできると、ほっとするし元気もいただけます!
午後の訪問先の分担を決め、しばし会話を楽しんだ後、福猫舎(ふくねこや)さんへのおすそ分け仁義メシをお預かりいただき、午後の部へ出発。
福猫舎の「犬班A。」さんは、今も旧警戒区域へも猫のレスキューに入っています。
もちろん飯舘村にも入ることもあります。
誰が犬猫の元へ運んでも、彼らの命をつなぐ一食となれば同じこと。
自分たちでは使い切れない仁義メシは、有効に使っていただけるチームや個人にお預けすることもありますことご了承くださいませ。
■小宮BOXの小夜ちゃん
「先輩が「ゴマ塩みたいだからゴマちゃん」と言ったが無視して
小夜(さよ)ちゃんにしよ。ちっこいから」
ということで、Izumiさんにぴったりの仮名をつけてもらった黒猫さん。
屋根の上からニャーニャーと登場。
余裕。
きっと自分で下りられるのでしょうけど、なんとなく下ろしてあげたいなと思いまして、脚立をお借りして…
視線が高くなったらどうしても写真が撮りたくなってしまってさ。
すぐに助けずに撮影してしまいました。
でも、この後ちゃん下ろしてあげましたよ。
その時の模様はIzumiさんのブログにて紹介していただいてます。[こちら]
小夜ちゃん、近くで見たらマダニが4匹もくっついてました、かわいそうに。
前の週もマダニがくっついていたよね、マダニいいかげんにしろよ。
給餌台のある牛舎の窓からの借景。
牛舎の裏でキジ白さん発見!
うまく撮れませんでしたがキジトラさんも発見!
もう一匹黒猫さんもいました。
以前、茶白も見ているので少なくとも5匹はこのお宅の給餌台のご飯を食べているようです。
雨があがり青空が顔をのぞかせていました。
小夜ちゃんのお宅を後にしようと車を動かすと、カラスが牛舎の窓へ…おいおい、それは速攻すぎるだろ。
戻って一度カラスを追っ払うものの、また車を動かせばエサを狙うカラス。
君たちもお腹は空いているのだろうけど、猫たちのご飯を奪うのはやめておくれよ、できるだけ。
この2日後に出動したオレ銀号がカラスの進入を防ぐためのネットをはってくれました。
ありがとうございます。
[つづく]
■写真展のお知らせ
『Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち』
会期|2014年 4月23日(水)~6月8日(日)
※会期が延長になりました。
@ ギャラリー・エフ 浅草[HP]
東京都台東区雷門 2-19-18 [地図]
12:00~19:00(最終日は17:00まで)|火曜休
※水曜日のみ20:00まで
入場無料(犬か猫のフード1品をお持ち寄りください[任意])
※フードのお持ちよりは任意です。フードをお持ち寄りいただかなくても展示はご覧になれます。
村の犬猫にあの子にこれを食べさせてあげたい、そんな気持ちをお持ちいただけましたら、ぜひフードをお持ち寄りください。
自分の犬猫とかわらない存在として、彼らを想っていただけたらうれしく思います。
※フードは飯舘村の犬猫に届けさせていただきます。
[写真展詳細@ギャラリー・エフHP]
[フードについて・ウマいメシお品書き]
▼猫撮るブログ内のお知らせ記事もよろしければご覧ください。
写真展『Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち』@東京・浅草(4/23~5/26)
最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。
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コメント欄を借りて、失礼します。
参加者を募っております。
6月17日
2014.6.17院内交流集会「被災動物の救済とあるべき法制度」応援隊
https://www.facebook.com/events/513413398763525/?source=1