14/8/17 飯舘村 猫撮るレポート1:ゴエモン氏おおいに語る
8月から手に余る原稿執筆に追われており、レポートの更新が滞っておりました。
「ねことる商店」ではたくさんのポストカードやキーホルダーをお買い上げいただきました。
ありがとうございます。
継続的活動のため、撮影や原稿の仕事もがんばっていますが、ねことる商店でのお買い物でのご協力もよろしくお願い致します。
さて、8月17日のレポートをはじめさせていただきます。
邪魔をするあいつ
「まるまるだよ。何をしても丸くおさまるのは、ぼくの魅力のなせるわざだよ。良い子のみんなは真似しないでね、怒られるよだよ」
※「なんでも丸くおさまる」まるまるキーホルダーは近日発売予定です。
この日も、いつもお世話になっている方たちからご支援いただいたフードを満載しました。
いつもありがとうございます。
「ママの住むところにいってくるの?」
まどろむ「おたべ」に後ろ髪を引かれつつ飯舘村へ向けて出発。
■山木屋交差点
ゴエモン氏おおいに語る
「サバビは人にほだされはじめた口だな。
よく顔を出す関西弁のおっちゃんの笑顔にやられたな。
猫ってやつは元来人と相性のいい遺伝子を持ってるからよ。
食い意地がはってるけど、悪いやつじゃないぜ。
俺ほどタフじゃないから、いつか人との暮らしを経験してもいいのかもな。
そこそこかわいい顔してるしな」
「ここに流れ着いてから、優しい人もいるってことを若いやつらに話してるよ。
昔のことはよく覚えてないけど、俺も人にほだされた口だからな。
生きるために変わるのは必要なことだよ。
人との付き合い方の模範を示すのが今の役割だな、いつの間にかここの主みたいになっちまったな。
若い頃は、他人なんてどうでもよかったけどよ、生きづらい時代になったからな・・・・・・
みんなそれなりに苦労してる。苦労なんてしないで済むならしなくていいんじゃねぇか」
「人が来たら顔を出すってのは基本だぜ。人にも情ってもんがあるからな」
「こいつは、あの大地震の後に生まれたらしいな。
人を知らずに育ったやつは、人との距離を図るのに苦労するよな。
自分の身を守るのに必死だからよ。みんな敵だと思わないと生きられないからな。
生きづらいと思うぜ。だからよ、俺は余計に愛しく感じるんだよ。
かわいいおちびさんだぜ、がんばってるよ」
「こいつも人を知らずに育った口だな。俺の若いころに比べたら大したことないけど、いい顔してるのに惜しいな。人にモテるタイプなのにな。
いつも話してるよ、人と仲良くなったら違う生涯が送れるかもしれないぜって。
ピンときてないみたいだけど少しずつ変わってきてるな、以前は人がくると姿を隠していたからよ。
もう少し愛想よくすりゃいいのにな、惜しいやつだぜ」
「お富士ばあさんには、今更おれが言うことはないよ。
昔はこのあたりでブイブイ言わせてたらしいぜ。歳を取って丸くなったって言ってたよ。
みんなそうなるもんだよ」
「ばあちゃん足腰が弱って弱気になることがあるってさ。たまに昔話をボソボソ話してるよ」
「給餌台ってのができて助かってるぜ。感謝してるよ。
俺たちゃ野生じゃないからな、腹減らして狩りするのは性に合わないよ」
「あの地震のあと何が起こったかはだいたい知ってるよ。長年生きてりゃ人の考えてることが少しはわかるようになるんだよ。
この先どうなるのかなんてわからないな、もともと先のことなんて考えない質だからよ」
「こいつらの行く末は気になるけどな。
今は人が食べ物を持ってきてくれてるからいいけどよ・・・・・・
3年、5年、10年たったらな・・・・・・
こいつらは生きているかもしれないよ。
人はこいつらのこといつまで気にかけてくれるかね」
「俺は毎日それなりに楽しくやってるよ。今は飯が食えているからな。
人を恨んではいないよ。
今日を生きるのに必死だからさ。恨み節なんて意味ないんだよ。
この先だって、人には期待しないようにするぜ。いつか起こるいいことより、今日の飯や身を守る心配だな。
最近は、毎日のように飯持ってきてくれるおっちゃんがいるからさ、飯の期待はしてるけどな。
正直、優しさが身にしみるよ。
最後に少しだけ弱音を吐かせてもらうとよ、もし仲間たちがヨレヨレになっちまったら、手を差し伸べて欲しいんだよ。
俺はいつまで生きるかわからないし、助ける力もないからよ。
俺の顔に免じて少しだけ甘えさせてくれよな」
[つづく]
最後までご覧いただきありがとうございました。
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