凍てつく村 その1

飯舘村の犬猫に会いに行くようになって3度目の冬。
2月5日は、これまでの訪問で最も寒さの厳しい一日でした。
村に到着した朝8時頃の気温はマイナス8度、パラパラと舞う雪は砂のように積もり、時折冷たい風に舞い上げられ景色に霞をかけていました。

この日は「チーム銀次」としての給餌活動、訪問予定のお宅は40軒以上。
総勢7名、車2台。南から北上する「赤銀チーム(4名)」と北から南下する「青銀チーム(3名)」に分かれ、午後いちで村の中心にある役場で合流し、最後にひと山越えたところにある犬たくさんエリアへ向かうという作戦。
ちなみに僕は青銀チーム、レガシィくんが青いから「青銀号」。シンプルだけどいい名前。

●1軒目
最初のお宅には猫の姿はなく納屋の中の餌場にメシを補充。
ほかほかウェットメシを人がいなくなったら、すぐ食べてくれるといいんだけどな。

●2軒目
次のお宅は僕が場所を間違えて空振り、ご、ごめんなさい。
でも、後でこっそり犬の散歩中に、その隣の家を偵察に行き餌場を確認しました、猫の姿はなし。

●3軒目・4軒目
そして、2つのお宅が同じ敷地にある、犬4頭と猫がたくさんいる序盤戦の山場。

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お歯黒サバちゃんこと「チーズ」は、雪が苦手の様子。ちめたいもんね~
避難した小屋にメシ配達。

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「木さん(仮)」はイエティのものまねで大歓迎。ものまねしなくてもご飯あげるから、ちょっと待ってね。

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イエティ感がいまひとつの「林さん(仮)」。ものまねしなくてもご飯あげるから、ちょっと待ってね。

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「森さん(仮)」は顔なめ塩分補給?
犬には詳しくない猫撮るですから、調べてみましたら顔なめは「親愛の情をあらわす」「食べ物をねだる」時のしぐさのようです。
「あ、それ塩分補給ね」とか言ってすみません、Izumiさん。本当はウソだって知ってましたけどね。

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まずは散歩から、僕は林さん(仮)担当。
マイナス8度、風あり、大雪なのに、彼はルンルン歩き始めます。
鼻水が凍る寒さ…
人の心イヌ知らず。

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シッーーー、気持ちええ~
いい顔だね。
シッーーーー
なげーよ
はーすっきりワン
よかったワンね

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わざと埋まりに行く…ひゃっこくないのかね~
楽しそうな林さん(仮)の姿に、寒さも忘れます…うそです。

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顔に雪が積もっても気にしないタイプ、鈍感力大事。

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ルンルンな林さん(仮)。たまの散歩だもんね、楽しいよね!
しっぽフリフリ、プリケツ見てると、寒さも忘れるよ…うそです。
寒すぎて指痛いけど、おじさんがんばるよ。(写真撮るために指先なし手袋着用)

「ゆびいてー」と何度も叫びながら、寒すぎると痛いを実感した20分の散歩。
体は全然あたたまりません。

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「つぎメシね」

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メシクレダンス♪

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「オレもメシー」の森さん(仮)

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「オレのメシは?」とキジ白くん
ワンコの散歩で待たせたね、ごめんごめん。

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メシの準備を見つめる白美猫、シロビ(仮)と名付けるか…少し怖がりさんなのね。

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お湯かけまぐろウマウマ中。準備中から食べ始めたらしい、なっこいの得!

そう、飯舘村では人なつっこい子は、ボランティアに覚えてもらいやすく気にかけてもらえる確率があがるので、本当に得なのです。
人なつっこい猫に会えるとうれしい、でももしもそれが彼らが生きていくために本能的に身につけたものだとしたら、それはそれで切ない。
おそらくそいうい子も少なからずいるはず。
犬や猫は、どこまでいっても人が起こした原発事故の被害を受け続けている存在なのにね、本当にごめんね。

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バイバイの犬モフ by あやこさん(北の大地出身、マイナス8度楽勝なのか?)

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青銀号鼻水。エンジンの熱で溶け落ちた雪がつららに…

僕らが立ち去った後にはまた、いつ終わるかわからない静寂の時が流れ始めます。
いつ終わるかわからないということは、もしかしたら耐え難くつらいものなのかもしれません。
はじまりとおわり。
人は時間を区切ることで日々生き続けられているのかもしれないと、ふと思いました。
たとえ帰宅頻度の高いお宅であっても、飼い主が次にいつ帰ってくるのか、もしも彼らに伝えることができたなら彼らも少し楽になれるのかもしれません。
ここに人の営みがあった頃は、朝ごはん、夜ごはん、きっと彼らの体内時計に区切りが刻まれていたに違いありません。
その区切りがなくなってしまった今、彼らはどんな思いで過ごしているのだろう。
彼らの心が凍りつかないように、僕らの行動が少しでも役に立っていれば、ほんの少しだけ救いを感じられます。
どうなんだろうか…

後ろ髪をひかれつつ思いを断ち切り、南下を開始。

支援物資受付のお宅をあやこさんに案内、途中犬に遭遇したのでおやつを支給。
敷地内の丘のうえまでテケテケ歩いて行ったそのワンコ、なんと遠くでこちらを見つめていたもう一匹の犬におやつをあげたではないですか!やさしいね。
キミの分もあるよ「おいで~」と声をかけると、再び近づいてきておやつをくわえて立ち去る。
見れば年老いたメス犬、きっとお母さんなんだね。

犬猫を見つけたら停まる癖のせいで、この時点で11時近くに。
予定の三分の一も進んでいませんでしたが、いつの間にか顔を出したお日さまと青空に心は晴れやか。
「太陽さんこんにちは、遅かったですね。次はもう少し余裕を持った計画を立ててきます、もしくは無計画か」
とにかく、どんまい青銀チーム。

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●5軒目
「公民館前」と呼ばれるサビキジの家。
なっこいサビが顔を出してくれました。キジには会えず。
前回、血痕を見た場所なので、できることならキジにも会いたかった。

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サビちゃん、ムハムハ。
食べるのに忙しくて、目線をくれませんでした。いいんだいいんだ、お腹いっぱい食べてね。
「また来るから、がんばってな」としか言えない罪悪感。
この子たちにも名前(仮)をつけないとね。

そして、さらに南下。

●6軒目
元気くんこと「チャッピー」の家。
しばらく除染のため立入禁止になっていたため、訪問できずにいたので久しぶりの再会。
いつもは車が近づくとピョンピョン飛び跳ねて大はしゃぎで迎えてくれるのですが、この日は姿が見えず…
あれっと思って探しに行くと、いつもより奥まったところに係留用のなが~いワイヤーが移動していました。
「寒くなったから、日当たりのいい場所につなぎ直したんだ」と帰宅されていたお父さんが教えてくれました。

作業が終わったという除染については、「だいたい半分くらいに(線量が)下がったかな。またしばらくしたら戻ってしまうと思うけど」とのお話。
というのは、現在飯舘村で進められている除染は住居とその周辺20mのみが対象範囲。
その外側の林や森は除染が行われないため、そこから再び放射性物質が飛来して線量が戻ってしまうそうです。
人々が生きる糧を得ていた農地も除染の対象外、人が住まなくなって3年近くになる住居にも傷みが目立ちはじめており、再び人が暮らせるまでには問題が山積みです。

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一面の銀世界、チャッピーとあやこさんが散歩へ。
時折、風で舞い上がった雪で風景が霞みます。

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おかえり~
元気いっぱい若々しいチャッピーですが、「もう15~16歳くらい」。

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チャッピーモフ。
「やんちゃできかん坊だったけど、ボランティアの人が訪ねてくれるようになって誰にでもなつっこくなったんだ」とお父さん。

●7軒目
チャッピーとバイバイして通りを走りだすと、すぐ隣りのスロープで黒犬を発見!
ボランティアの間ではよく知られている「クー」という♂ワンコでした。
こちらはお母さんが帰宅されていました。

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クーモフ。
犬をモフりまくるあやこさんwそれ趣味なのか?
「もう5~6歳になるかな。飯舘村の飯樋で生まれて、そこから一度里子に出たけど戻ってきてしまって、困ってるからもらってくれないかと頼まれて家に来たんだ」とお母さん。
福島市内に避難しているというお母さん、雪の降ったこの日は1時間以上かけて村まで戻ってきたそうです。
往復2時間強の道のり、帰りたくても頻繁に通うには大変な距離。

あ、そうだ。クーは僕が散歩に行きました。不覚にもカメラを忘れてしまい証拠写真はありません…はぁ、すごいがんばって若犬と走り回ったのに、100m10秒台いや12秒台(※)くらいで走り回ったのにな。
※気持ちだけ

つづく

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。

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  1. ハハ

    給餌活動やお散歩お疲れさまでした。
    今日は関東もすごい雪でしたので寒さが想像できます。犬猫たちのけなげさやひたむきさに、心が痛くなりますし、皆さまのお優しさにクスッと笑わせてもらったりもしました。
    モフモフされて嬉しいよね。
    みんなとてもかわいいですね。

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