14/11/2 飯舘村 猫撮るレポート1:こざくら
9月21日以来、実に6週間ぶりの飯舘村訪問。
懐具合が秋を通り越し冬かよ…となったり、新しい仕事「あなたの猫撮る」の立ち上げ準備に追われたりと、タイミングを掴めずに時間ばかりが経ってしまいました。
しかし、大げさではなく一日たりとも「飯舘村の犬猫」のことが頭から離れたことはありません。
今回もいつもお世話になっている方たちからご支援いただいたフードを満載していきました。
そして、Hさまよりいただいたご支援金を交通費に当てさせていただきました。
ありがとうございました。
ちなみに、一度の飯舘村訪問のおおよその経費は、交通費20,000~22,000円+食費等で25,000円ほどになります。
犬猫のフードを自分で購入する場合は15,000円~20,000円がプラスされます。
行きたいだけ行けない事情をご理解ください。
11月1日、日付が変わる少し前に福島へ向けて出発。
家の猫がかわいいので、いつも後ろ髪を引かれる思いです。
「かゆ」と「むぎ」
このところ常磐道を使うことが多かったのですが、なんとなく東北道で福島入り。
しばし仮眠の後、用意し忘れた犬のドライフードを調達しようとコンビニエンスストアへ。
1軒目、犬ドライが売っておらず朝ごはんと昼ごはんを調達。
2軒目、この辺りに知り合いはいないはずなのに「かみむらさん」と声をかけられたではありませんか!
チーム銀次赤銀号のメンバー3人と偶然にもお会いすることができました。
「何を買いに来たんですか?」
「犬のドライを少々」
「あっ、あげますよ」
と、あまりにも出来過ぎた会話で、待望の犬ドライを手にすることができました。
ありがとうございました。
いただいてばかりの僕です。
犬たくさん地帯へ向けて出発する赤銀号を見送る。
ちなみに、赤銀号の荷室はフードでギュウギュウでした。犬たちみんなお腹いっぱい食べられます散歩もしてもらえます。頼もしい犬得意チームです。
この日は、赤銀号のほかにも数組のボランティアが飯舘村入り。
毎日のように飯舘村に犬猫の給餌に通う日比さんに、事前に他の方の回らない地域をお聞きしました。
僕が最初に向かったのは「こざくら」ちゃんのお宅です。
飯舘村を横断する国道からの風景。
神々しくさえ感じられる朝靄に霞む山々、麓で朝日を浴びて不吉に輝く黒い袋。削り取られた大地はすでに草に覆われていました。
こざくらちゃんのお宅から100mほどの場所にある放射性廃棄物の仮置き場(仮仮置き場?)。
「これほどまでに」と目を奪われ思わず車を停めました。
この一ヶ月半ほどの間に出現した黒光りする山々。
紅葉とフレコンバッグの黒。今秋の飯館村を象徴する光景かもしれません。
■こざくらちゃん
スロープを登って行くと、縁側に佇むこざくらちゃん。
冬の足音が聞こえる日もあると聞いていましたが、この日は陽射しが刺ささり汗ばむほど。
あったか好きの猫には日向ぼっこびよりだったのかもしれませんね。
「おはよう」
「元気だった?」
フェイスブックでの実況をはじめて、前回もこざくらちゃんからスタートしたのを思い出しました。
これじゃあまるで、僕がこざくらちゃんを贔屓してるみたいですね。好きですけど。
食事中・・・食事中・・・食事中・・・
除染が終わったこざくらちゃんのお宅。
縁側は「0.56」マイクロシーベルト毎時。
人が住んでもいいとされる「0.23」の倍以上です。
空間線量は「0.73」
以前、60マイクロシーベルト毎時超を記録した、雨樋の下は「1.14」に。
庭一面の土が取り除かれ、砂利に置き換えられています。
こざくらちゃんギャラリー
ご乗車です。
そう言えば3月に、ドロドロの足で乗車したのは君だったね。
猫のいるのどかな風景。
現地では、ただただ猫とのんびり過ごしているだけの錯覚に陥ることがあります。
放射能は目に見えません。痛くもかゆくもありません。無味無臭。しかし、確実に細胞を貫いています。
7時49分に来て、8時53分まで。
今の季節の日没は4時半から5時頃、軒数を回ろうとすれば1時間は長いのですが、目の前にいる猫が少しばかりでも喜んでくれるなら・・・
もちろんご飯をあげて写真を撮るのが僕の目的ですが、猫の心を一時ほんの少しでも満たせたらと思っています。
人が原発を爆発させた結果、猫たちは何が起こったかもわからないまま、人恋しさや空腹を抱えた生活を送ることになりました。
贖罪の意識もあります。しかし、猫を目の前にすればただ愛おしいだけです。
できることは限られているかもしれませんが、まったく無いわけではありません。
できることを増やせるかもしれません。
とにかく今は「できることを、できるときに、できるだけ」
福島にいける人もいけない人も、みんな同じだと思います。
あなたの「できることを、できるときに、できるだけ」を、ぜひ考えてみてください。
[つづく]
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