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14/11/2 飯舘村 猫撮るレポート2:あかとひげとビニールハウス

■花卉農家さん

「こざくら」ちゃんの元を後にして向かったのは、これまた前回と同じく花卉(かき)農家さんのお宅。
除染が始まってから、4匹いた飼い猫のうち2匹があまり姿を見せなくなっています。

通りに停車、外に出てみると
「にゃー」
「あか~!」
ご飯に寄ってきても人に寄ってくることのなかったあかが、じ、自分から歩み寄ってきました。
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かわゆい「ひげ」ちゃんもいます。
日比さんのブログでも最近姿を見せるのは、だいたいこの二匹です。
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写真を撮ってばかりで(ほんの数分です)、いっこうにご飯を用意する気配を見せない僕に業を煮やしたあか。
ここも除染が進み土が砂利に置き換わり、3年半で荒れていた物置場も片付けられていました。
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リュックにフードやおやつを詰め込んで餌場へ一歩踏み出すと・・・
ゴローン、あかゴローン
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あっ、そんな姿を見せるとまた写真を撮っちゃうぞ。
なに、その手、かわいいじゃん。
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いっこうにご飯を用意する気配を見せない僕に業を煮やしたひげちゃんとあか。
道路に放置したリュックを目指します。
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ごめんごめん、と餌場に移動し始めるとなんだかんだでシャイなあいつらはほんのりと身を隠します。
「あいつ、やっとメシの支度はじめたよ」
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ひげちゃんが迷惑そうにしていてかわいい。
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「しつこいわねー」
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「メシの用意ができたみたいだぜ」
「ムニャ」
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「待たせやがって」
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「どれどれ、ウェットとカリカリか・・・焼カツオがトッピングされてるウェットからだな」
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「・・・」
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「んっ」
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「次こっち」
「あ、その皿あたしも狙ってたのに」
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「いいわ、あたし白いお皿にする」
「えっ、それもウマそうだな」
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「いいよ、俺は青いさらにするよ」
「えー、そっちもおいちそうね」
「モゴモゴ、これは俺のだよ」
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「いいわよ、白いのだっておいしいもん」

「あらっ、白いのは何も入ってないわ」
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食いしん坊兄妹、落ち着きました、やっと。
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ひげちゃんの偉業
ひげちゃん触らせてくれました、ほんの一瞬ですが。
タッチしました。
以前は近づくのも難しかったのに・・・こんな日がくるなんて。

このところ、人との距離を縮めた猫が目につきます。
彼らが感じている生きづらさの現われなのかもしれません。
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居付きのキジ白くん登場です。前に見た子と違う気がするな・・・同じかな
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近いっ!
かわいい顔してますね、タマタマ付きです。
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こちらの花卉農家さん、今は近隣の飯野町で花の栽培を再開しています。
村では30アールのビニールハウスで栽培をしていましたが、現在は5アールほどとお聞きしました。
土地とビニールハウスは村から提供されましたが、水を引く費用などで大きな負担があったそうです。
5年以内に村に戻って花の栽培を再開したいと仰っていました。
除染でほとんどのビニールハウスは撤去されましたが、村に戻る将来のために一部残しています。
しかし、帰村して事業を再開するには、再び設備投資が必要になります。
「今のまま避難生活を続けるのは辛い、かといって村に戻って生活を再建するのも簡単ではない」という言葉が印象に残っています。

敷地内のビニールハウスはすべて撤去されました。(2014年9月21日撮影)
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帰村後の事業再開のために残したビニールハウス(2014年9月21日撮影)
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敷地入り口の放射線量は「0.33」マイクロシーベルト毎時。
人が住んでもいいとされる線量は「0.23」です。
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■蔵の家

蔵の家へ向かう途中の農地。
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蔵の家の農地。倒壊しかけていたビニールハウスも生い茂っていた草も姿を消していました。
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餌場は荒らされることなく猫たちのお腹を満たしているようでした。
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村では除染が本格的に進められています。
放射線量が半減し、ここに暮らす猫たちにとっては生活環境が改善されていると言えます。
しかし、人が住めるまでに放射線量が低減するとは言い難いのが現実です。

人の行く末が決まらなければ、3年半で染み付いた犬猫を取り巻く状況は大きくは変わりません。

除染が終わるまでにも、まだしばらく時間がかかります。

村の外にいる人の「できることを、できるときに、できるだけ」の力が今までよりも必要な時期が来ているのかもしれません。

 

つづく

 

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