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飯舘村犬猫訪問記 2016/02/07の2

 

間が空きましたが、先日の飯舘村訪問のつづきです。

政府は、来年2017年3月に飯舘村の避難指示を解除する方針です。
それに合わせ村内は動いています。

新しい建物を目にしました。

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一方で、アプローチの雪かきをしていない家が目立ちます。
時間の経過とともに帰宅する村民は減っているのかもしれません。

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そして、どの地区でも目に入る光景。
環境省によれば、27年末までに除染対象の宅地100%、農地50%、森林86%、道路45%の除染が完了し、全体では80%近くまで作業が進んでいます。
ただし、除染対象は飯舘村の総面積の22~23%。残り75%ほどを占める森林の有効な除染手段は見つかっていません。

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日比さんに会いました。
日比さんは、震災後に神戸から郡山に移住し、飯舘村に足繁く通っています。
ブログの訪問日記は900回を超えています。

古希を超えた日比さん、若々しいですが「雪道は堪える」とおっしゃっていました。

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私ははじめて会う猫です。飼い猫の「姫」。

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姫の姿に日比さんの積み重ねを写せた気がします。私のお気に入りのショットです。

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日比さんに、最近の村の猫事情を伺いました。

路頭に迷う猫がここに来て増えています。
家屋の解体による棲家の消失、餌場の撤去要請、住人の帰宅頻度の減少などが原因です。
ここまで生き延びてきた命をどうするか?
村から連れ出せれば彼らの未来は開けるかもしれません。
しかし、現状保護場所が不足しています。

 

 

米太郎といね(現ゆき)が暮らしていた家の前にも、フレコンバックの山。
二匹は過去に私が保護し、現在は家族を得た猫です。

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この日は会えませんでしたが、いねにそっくりの白猫がまだここで生きています。
(2015年11月撮影)

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ほど近い餌場では、飼い猫のバナナに会いました。
警戒心を見せながらも、人が来た時だけ食べられるウェットフードを求め近づいてきました。
ここからは稲穂と俵という白猫が保護されています。

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少し微笑んでくれたように見えたのは気のせいでしょうか。
バナナは人のそばで当たり前にご飯を口にできる暮らしを求めていると、私には感じられました。
それは猫にとって特別なことでしょうか。

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タロウを訪ねました。

震災後の初期から飯舘村に通っているボランティアのねーねーさんに、久しぶりにお会いしました。
近く住人の飼えなくなった犬を引き取るそうです。
個人で活動されている方ですから、犬を引き取る決断は簡単なものではなかったと想像します。

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一時は10数頭の猫が暮らしていた納屋も、猫たちが縁の下に身を隠していた母屋も解体されていました。
これに先立ち、多くの猫たちがすでに保護されています。
私の知っている範囲では、郡山のシェルター福猫舎、ゴエモンを引き取ったあつこさんが猫を受け入れ、新しい家族探しをしているそうです。

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葉たばこと呼ばれる餌場です。
どの餌場も静まり返っています。

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うたの家も訪問しました。

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かつてうたも使っていた餌場は、うたもどきと呼ばれる居付き猫の命をつないでいます。

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かんなちゃんの家にも、まだ猫がいます。

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ご老公の家と呼ばれる餌場。
かつて10を超える猫がいましたが、この日はゼロ。

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そして、野生動物の侵入のためかフードは底を付いていました。

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猫たちの痕跡。

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久しぶりに訪れた家です。
かつては老夫婦が猫の面倒を見ていました。しかし、ご主人は亡くなり、奥様は施設に入居され、現在は餌場が猫たちの命をつないでいます。

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この体勢を見たら、やっぱり

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これを撮りたくなります。
人なつっこい美人さんorハンサムくん。

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息を殺し身を潜める猫のお邪魔をしてしまいました。

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毎年、冬を越せず姿を消す猫は少なくありませんでしたが、この日感じたのはこれまで以上の猫の減少です。猫の放置は、彼らの命をジワジワ締め付けると、私には感じられます。

2017年3月に避難指示が解除されたとしても、農家の多い飯舘村にかつての人の暮らしが戻るとは考えにくいです。長い時間で培われた恵みを育む土は取り除かれました。仮に営農を再開し収穫までこぎつけたとして、私たちは食べて応援を貫けるでしょうか?お店では他産地の農産物と同じ棚に陳列されます。

27年の村民アンケートでは、村に戻りたいと回答したのはおよそ3割にとどまります。
避難指示解除が、即村の復活を意味しないのは明らかです。

 

空と雪が綺麗に染められた後には、暗闇がやってきます。
明けない夜がないように、飯舘村に光が射す日がくるのでしょうか。

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猫の問題は全体を見ると難しそうでも、細部を見れば解決の糸口は見つかると私は考えています。
数百という数字も、1の積み重ねです。
一匹の猫の世界を変えるのに、大人数も大きな力も必要ありません。
言葉と気持ちだけでは無力に等しいと感じます。
今、人の行動を必要としている命がいます。
私たちの傍でお腹を出す命と何も違わぬ命です。
彼らの世界を変える行動の輪が広がることを願っています。

私はしばらく停滞していましたが、自分のできることをひとつずつやっていこうと思います。

 

おわり

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。

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