ヒトのそば(4/8)1:ひとり暮らし
2014年4月8日の飯舘村犬猫訪問レポートその1です。
4月8日未明に浅草に集合、東北道で一路飯舘村へ向かう。
この日は屈強・赤銀号とネ根性・青銀号の2台での飯舘村訪問。
途中、那須高原サービスエリアでエールを送り合い、それぞれのスタート地点のお宅を目指す。
青銀号はいつも訪れる村北部の僕はまだ訪れたことのないお宅2軒からスタートの計画。
目的のお宅の手前で猫さんに遭遇。
前髪がかっこいいね。
■1軒目 ミミ太
前の週にオレ銀号の豆川さん&Izumiさんが訪れた時には、猿しかいなかったそうで「猫いるかな」と敷地に入って行くと…
いた!
リュックでフミフミ。
飼い主さんが帰宅中でした。
「いまは仮設住宅でひとり暮らし。仮設でお父さんが亡くなったんだ」とお母さん。
ひとり村に戻り猫のお世話をしているそうです。
村に戻ることなく、避難前のように家族そろっての生活を取り戻すことなく亡くなってしまった方、そして残された方の想いを想像すると…
・・・その想いは僕には想像しきれないものでした。
東京では被災地への関心が確実に薄れている一方で、時間が経てば経つほど現地では哀しみが積み重なっています。
お母さんの淡々とした口調に、逆に哀しみの大きさを感じます。
時計の針は決しても戻すことができません。
同じ時間を生きる人として、想像ができないほどの哀しみが生まれ続けていることに、どう向き合い何をすればよいのかは正直わかりません。
猫の名前は「ミミ太」くん。16歳だそうです!
お母さんのそばにうれしそうに寄って行く姿に、かつてここにあった幸せな時間を見た気がしました。
人がいて猫がいて、そんな当たり前さえもが特別になってしまったこの場所では、ごくごくありふれた幸せに見える光景を目にしただけでうれしくなります。
同時に切なくもなります。
この現実をつくってしまった社会のひとりとして、せめて目を背けずにこれからどう生きていくべきなのかを考え行動しなければと感じます。
ミミ太は甘えん坊だなぁ。
やっぱりお母さんのそばが好きなんだよね。
家の中にはもうすぐ子猫を産みそうなメス猫がいるそう。
野良猫が家に入り込んだのを、暖かく見守ってくれている優しいお母さんです。
■2軒目 ふさふさ猫のいたお宅
こちらも前の週にオレ銀号がはじめて訪れたお宅。引っ込み思案のふさふさの猫がいたそうです。
ふさふさ好きの僕としては、ぜひ会いたい。
残念、不在。
カリカリもウェットも補充。
どこか陰からこっそり様子をうかがって、僕らが帰った後にすぐにうまうまウエットを食べてくれるといいのですが。
■3軒目 ココちゃん
残念…不在。
冬に一度会ったきりのココちゃん、元気にしてるかな。
この会えない率の高さ、幻の猫なのかと思ってしまうほど。
エサ場にハクビシンが入り込んでいるから、あまり寄りつけないのかもしれません。
みんな生きるのに必死です、ハクビシンを責める気にもなれません。
できれば猫のエサ場には入らないで欲しいけど。
敷地内の木々には除染対象の黄色い目印が。
地区内に広大な汚染物置き場がつくられていました。
この地区の除染は近々本格的にはじまるようです。
■4軒目 みーちゃん
ども、みーです。いつも真顔です。
真顔だけどとてもとても人なつっこいのです、スリスリ。
「メシ、まだ」
「旨っ」
「ゴロゴロ」言ってるときだって真顔なのよ。
「うーん、気持ちいいわね」
「ゴロゴロ」
どんだけ真顔なの…
車に乗る、真顔で。
ヒザにも乗る、真顔で。
「まだ帰らないでね作戦なの」
荷室で寝る、寝顔も真顔。
多彩な攻撃に立ち去れなくなるのはいつものこと。
たまには少しわがままをしたっていいんだと思うんです。
だって、いつもいつもがんばってるんだからね。
多くの時間をひとりで過ごしているんだからね。
人のそばにいたいという気持ちを、出来る限り受けとめたいと思うんです。
猫は何も悪いことしていないのに、寂しい思いをしなければいけないのは、原発を許してきた人のせいだから…せめてもの償い。
ごめんね。
立ち去るときは本当に辛い…
危なくないように車から離れてもらうんですけれど、その時だってこんなにうれしそうに人の後を着いて行くんです…はぁ
一時帰宅して、避難先に戻るときの飼い主さんの気持ちを想像すると、あまりにも切ない。
[つづく]
■写真展のお知らせ
『Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち』
会期|2014年 4月23日(水)~6月8日(日)
※会期が延長になりました。
@ ギャラリー・エフ 浅草[HP]
東京都台東区雷門 2-19-18 [地図]
12:00~19:00(最終日は17:00まで)|火曜休
※水曜日のみ20:00まで
入場無料(犬か猫のフード1品をお持ち寄りください[任意])
※フードのお持ちよりは任意です。フードをお持ち寄りいただかなくても展示はご覧になれます。
村の犬猫にあの子にこれを食べさせてあげたい、そんな気持ちをお持ちいただけましたら、ぜひフードをお持ち寄りください。
自分の犬猫とかわらない存在として、彼らを想っていただけたらうれしく思います。
※フードは飯舘村の犬猫に届けさせていただきます。
[写真展詳細@ギャラリー・エフHP]
[フードについて・ウマいメシお品書き]
▼猫撮るブログ内のお知らせ記事もよろしければご覧ください。
写真展『Call My Name 原発被災地を生きる犬猫たち』@東京・浅草(4/23~5/26)
最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。
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