飯舘村のマメ 終の棲家に着地
猫写真家ユニット「Tabby Photo」のテーマ対決の3回目
今回は「飛び猫」がテーマです。
写真集「飛び猫」の五十嵐健太さんご了承済みの企画です。
人の住めなくなった土地で犬と猫が暮らしている。
原発被災地・飯舘村は、世界でも稀に見る特異な状況にあります。
村で出会った老猫「マメ」は、今春里子にでました。
村への立ち入りはできますので、老齢の飼い主さんは避難先から通ってマメの世話をしてきました。
しかし、マメを手放す決断をしました。
生業であった農業を奪われ狭い仮設住宅での暮らしが、飼い主さんから体力も気力も奪っていったのは想像に難くありません。
避難生活は4年を超えています。その終わりは見えていません。
マメは時おり、通りを見渡せる場所で佇んでいました。
マメの飛んだ先は、人の側でした。
昨冬の怪我を機にボランティアに保護されたマメは、郡山の被災動物シェルター「福猫舎」で傷を癒していました。
再びマメと一緒に村で暮らしたい。
飼い主さんご家族の偽らざる気持ちだったと思います。
しかし、終わりの見えぬ避難生活の中、飼い主さんはマメを手放す決断をされました。人のいない土地でマメを命の危機に晒し続けられない。マメに寂しい思いをさせ続けるのは不憫だ、そんな想いがあったのだろうと想像します。
そして、マメは今春東京の里親さんの元へやってきました。
長くマメを撮影していた僕は、福猫舎の「犬班A。」さんの計らいで、マメの門出に立ち会うことができました。
マメの里親さんは、過去に犬班A。さんから被災地で保護された猫を譲り受けています。
老齢で猫一倍なつっこいマメにぴったりのご家族だと、犬班A。さんが里親の打診をしたそうです。
東京へやって来た日のマメ。
犬班A。さんのもとで、被毛は村時代よりピカピカ、体もふっくらと変化していました。
豊かな自然に抱かれた飯舘村から、東京都心へ。
人がいれば、環境の変化にはあまり動じないタイプのようです。
先住猫の「ミーコ」ちゃんも、原発被災地域の出身です。
当初は距離のあった二匹も、マメのラブコールにより近づいているそうです。
東京の風景は、マメの目にどう映っているのでしょうか。
マメは再び人の側で暮らしはじめました。
マメは4年近い不遇を乗り越えて、終の棲家へと着地しました。
元の飼い主さん、橋渡しをした人たち、そして里親さん、想いはさまざまです。
マメにプラスである、この一点で関わった人たちは思いをひとつにしています。
原発被災地は今も原発被災地であり続けています。
今も数多の人や動物が渦中にいます。
大きな岩を動かすのは簡単でなくても、
細部に視点を向ければ、手に余る数の石が目に飛び込んできます。
社会は人の総意の現れと僕は考えています。
石を手に取る人が溢れかえれば、大きな岩もグラつくかもしれません。
よくわからなくなることがありますが・・・・・・
しかし、マメという宝石が再び輝く地位を得たことを心より祝福したいと思います。
マメ、お幸せに。
飯舘村の犬や猫を取り巻く状況について簡単にまとめた、下記ページ中段あたりの「村の風景」もよろしければ併せてご覧ください。
『渋谷写真展3 ゴエモンの幸せ・姿を消した猫たち・村の風景1』
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