15/2/21 飯舘村犬猫レポート2:ダイク保護
■工務店
「米太郎」の兄妹「いね」(※)を保護し安堵したのも束の間、次なる保護対象「ダイク」の暮らす工務店と呼ばれる餌場に乗り込みました。
※兄妹の確証は得られませんでした。親戚かもしれません。
午後も絶好の保護日和
僕がダイクの保護を決めたと、村に頻繁に通うボランティアの「日比」さんに伝えたのは、10日程前。
翌日から、日比さんは連日のようにダイクを訪ね、餌場に居着くように仕向けてくださいました。
ダイクは除染が行われた昨年夏から秋頃、餌場から姿を消しました。
再び姿を見せるようになって以降は、顔を出したり出さなかったり。
名前を呼び続けると、大きな声で鳴きながらダイクが姿を現しました。
ダイク保護に向かえたのには、村の猫の預かりを申し出てくださった方の存在があります。
犬猫の保護団体でボランティアをされ、被災地の猫にも思いを寄せてくださっている「猫寮母」さんです。
野生動物に襲われ消える命が後を絶たない村の猫事情に、胸を痛め手を挙げてくださいました。
猫寮母さんに預かっていただく猫にダイクを選んだのは僕です。
決め手は人馴れ。
この冬、ダイクは触れる猫に変身しました。
繰り返し人の運ぶ餌を口にし、空腹のダイクは人への警戒心を解いていきました。
毎日の食事という当たり前が消えた世界でダイクは生きてきました。
ダイクの命をつないできた給餌台。
久しぶりに会う僕に警戒してか、ダイクは手を避けます。
捕獲箱を用意している間、ダイクは大声で空腹を訴えてきました。
手間取ることはないと予想しましたが、手前に置いた餌だけを食べ捕獲箱の奥まで進みません。
しかし、手づかみで保護できない以上、粘るしかありません。
ダイクが餌の誘惑に負けるまで、近くの餌場に行くことにしました。
■工務店奥
アプローチ最長の家と呼ばれていた餌場。
林道を車で数分進んだ先に猫たちが暮らしています。
最後の上り坂は雪に埋まり徒歩で進まなければなりませんでした。
雪が積もる前の除染期間を境に、姿を見せる猫が激減しました。
かつては両手の指で足りない猫が、餌につられて顔を出すこともありました。
水場へつづく小さな足あとが、猫が暮らしていると教えてくれます。
納屋に置かれた給餌台が猫たちの命綱。
野生動物の餌食にならぬよう、ボランティアが工夫を重ねた最新型です。
帰り際、三毛猫の姿が。
窓越しとはいえ、以前より距離が近くなっていると感じます。
■工務店
戻ってきました。
ダイクがいます。
空腹を訴えてきます・・・・・・
「明日がある、だから・・・」捕獲箱に入ろうよ。
頑固者。
作戦を変えました。
たらふく食べさせいい人と思わせ油断させます。
スリスリしてきた隙をついて手づかみします。
成功しました、あっさり。
ダイクは故郷を後にします。
ダイクといねを無事に保護できました。
村民やボランティアがつないできた命のバトンを、僕が預かりました。
ホッとしつつも、猫の命を預かる重責がのしかかってきます。
帰り道、動物病院で気がかりな検査をしてもらうことになりました。
[つづく]
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