うたの春満開
2016年4月2日、うたの春満開。
うたは再び家族との暮らしをスタートしました。
家族とずっと一緒はおよそ5年ぶりです。
うたは原発被災地福島県飯舘村で生まれ育ちました。
飯舘村ではペットの同伴避難が認められず、今だ飼い主と離れ村で暮らす犬や猫が数百います。
うたの元の飼い主さんは避難生活の終わりが見えぬ中、うたのこれからを想いうたを私に託してくださいました。
うたの子供たちを家族にしてから、うたは私にとって特別な存在となりました。
飯舘村と私をつなぎ続けてくれているのかもしれません。
とはいえうたは、推定6歳、猫嫌い、FIV陽性と多くの方の耳目を集める猫ではありません。
多頭の我が家で、イライラを募らせ抜群の人なつっこさもしまい込んでいました。
私がうたの魅力を上手に伝えられず、ご縁に恵まれない時間が長引き、心が折れかけた時期もありました。
しかし、今日という日を迎えられてホッとしています。
喜びに満ちています。
これもひとえに、うたに目を留めてくださったご家族のおかげです。
私は旦那さまに質問をしました。
「なぜうたを選んでくれたのですか?」
「はじめ妻は犬を飼いたいと言っていました。
しかし、私たちの暮らし(子育て中)を考えれば、日中私は居ませんので毎日の犬の散歩は今の妻には負担が大きすぎるように感じました。
猫の方が私たちには合っていると思い、猫を探すことにしたのですが、子猫は手がかかりますし性格も定まっていません。成猫なら飼い始めてからの暮らしが想像しやすく、子育てしながらでも飼えるのではと考えました。
成猫を探すことになり、子猫ばかりのペットショップではなく、インターネットの里親募集サイトで妻が候補を探し始めました。
白黒の猫が好みなようで、色々見ていたようです。
その中でもうたちゃんに目を留めたのは、まんまるな体型が特に目を引いたようです」
以前、「福島の被災地の猫であることも決め手のひとつ」と奥様がメールに書いていてくれました。
里親になることで行き場のない猫たちの力になれればと考えてくださっていました。
うたがFIV陽性であることについても、ご家族で調べ話し合い一切の偏見なく見て下さいました。
私自身は、FIV陽性についてはほとんど気に留めていません。
ほとんどと言ったのは、血を流す喧嘩をするほど相性が悪い場合は隔離が必要と思うのと、里親募集にあたりFIV陽性の猫への根強い偏見がある、の2点だけ気にしています。
FIV陽性でもごく普通に猫の健康に気をつけながら飼っていれば、15年ほどと言われる猫の平均寿命をまっとうできる場合が多いと考えています。
ここであえてFIV陽性について書いているのは、うたのご家族の偏見のなさがとてもうれしく、こういった方が増えるといいなと心から思っているからです。
そして、一番の懸案であった玄関の脱走対策では、大工さんに依頼して素晴らしい柵を設置してくださいました。
広い土間をあがるとリビングという脱走対策がとても難しい間取りでした。
私は里親さんの思慮深さや命を守る愛情を心から信頼し、安心してうたの未来をお願いしました。
うたグッズ大量!「たくさん買っちゃいました」とうれしいお言葉。
トイレは、うたが家で使っていたのと同じもの。
うた選手、キャリーの扉を開けるとそそくさと探検をはじめました。
環境の変化に戸惑う素振りはゼロ。
なぜか階段を何度も登り降り。
うた、ここすきなの。
あたし大人よ
おもちゃって・・・・・・
いつからここに住んでるの?と問いたくなる平常心。
あらかじめお伝えしていたうたの好むフードやおやつは、すでに棚に整理整頓されていました。
奥様が一日分のフードの分量を測って、「最初に測ってあとは目分量でいいのよ」と言ったひとことが私のツボでした。
きっちりとおおらかのバランスが、個人的にとても好みだったわけです(笑)
話はそれますが、娘さんを片手で抱っこしながら、娘さんのお昼ごはんを調理している姿にも驚きました。
素直に「お母さんはすごいですね」とつぶやいたら、「おろすと娘がだっこだっこ言うんですよ」と旦那さま。
うたもごくごく普通にしていましたが、うたをごくごく自然に受け入れてくださったご家族の雰囲気に、1ミリのお世辞も誇張もなく「うたにぴったり。うたは最高の縁をつかんだ」と感じました。
うたの馴染みように名残惜しさはいつしか消えていました。
うたはこれからこんな風に家族の一員として暮らしていくのだと思います。
うたよかったですね。
おめでとうございます。
里親さま、うたを末永くよろしくお願いいたします。
福島の給餌用フードのプレゼント、ありがとうございました。
満開の桜の日に訪れたうたの春がうれしくて、今年の桜を写真に残したくなりました。
門出の日、うたと一緒に桜のトンネルをくぐりました。
来年も再来年も咲き誇る桜を目にする度に、今日の喜びがよみがえるような気がします。
つぎの誰かに春をもたらせるよう、またがんばりたいと思います。
うたを応援してくださったみなさま、ありがとうございました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。
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そうそう、『NHK俳句』見ましたよ〜!上村さんの一句も欲しかったです。
「子猫」の季語が「春」なんて、知らなかったです。飯館村の話しもしっかりされてましたね、うたちゃんの子猫たちも、大きくなって上村家の家族、うたちゃんは、新しい家族ができて、私も俳句に目覚めて、ありがとうございました。実は、川柳はよく作るのですが、俳句は季語がわからないんです。
うたちゃん、おめでとうヽ(^0^)ノ
なんて素敵なご家族なんでしょう。
お写真もほのぼのとしていて、こちらもうれしくなってきます。
上村さんが出演した俳句の番組も拝見しました。
空気感が落ち着いていてすがすがしかったです。
うたさんは当たり前のようにご家族に馴染んで見えました。
うちのこも浪江町で保護していただいて やっぱり猫が苦手で人間大好きなシニアの女の子です。
外見は違いますが うたさんと重なる部分もあり気になっていました。 本当に最良のご縁 おめでとうございます!
どうぞずっとのご家族と幸せが末永く続きますように。
うたちゃん、おめでとう!よかったねえ、うたちゃんに家族ができて….。我が事のように嬉しくてメールしました。
上村さんのあのゆうぐれの中のうたちゃんの写真、やっぱり淋しかったよね、今はそれまでの苦労が嘘のような、夢のような….。これからも、うたちゃんと家族の皆様の幸せを祈っております。
上村さん、ありがとうございました、これからも福島のネコたちをよろしくおねがいいたします。
上村さんが諦めなかったからつながったご縁ですね。
ありがとうございます。
そのご活動、想いがまた多くの人の心の糧となって
幸せな猫が増えるとも思います。
わたしも少し糧ををいただきま〜す。
うたちゃん、素晴らしいご家族とのご縁、ホントによかった!
見ていてこちらまでハッピーになってきます。
階段もあって、オモチャもたくさんあって
小さなお友だちもいる素敵なお家~
みなさんに可愛がってもらって、
またまた幸せ太りしそうな予感です(^^)