終りと始まり
「ラビ」の故郷は、福島県飯舘村(いいたてむら)の蕨平(わらびだいら)地区。
事故を起こした原発から、30kmと少し離れたところ。
放射能に汚染され、人が住めなくなったところ。
「原発事故のあとも、あたしは福島にいたの。寂しかったわ、ほとんど人に会えなくて。1,200日以上もの間、ずっと」
「でもね、たくましいのよ、意外と。狩りだって得意だもの。なくなっちゃったけどね、狩りをしていた原っぱが」
「心配されたの、道路をウロウロするからトラックにひかれちゃう、ってね。ドジじゃないのに、あたし」
毎日のように飯舘村の犬猫にご飯を届けるボランティアの「日比」さんのブログで、僕はラビの存在を知りました。
「蕨平で唯一人なつっこい猫」
蕨平地区は飯舘村の中でも原発に近い南部にあり、放射能レベルが高い場所。
人の営みがすぐに戻るとは思えない場所。
心沈むボランティアの気持ちを溶かすほど人への親愛を持ち続けたラビ。
この子が、このままここでひっそりと生涯を終えてもいいの?
猫が10匹いるから飼えない、猫の保護譲渡の経験がない自信がない・・・・・・
数ヶ月迷い、行動を起こせずにいました。
「簡単ですよ、やってみたらわかります。誰にでもできますよ」
12年間、個人で犬猫の保護譲渡活動を続ける『幸せの703号室』の「ハハ」さんに、かけられた言葉です。
真に受けたわけでも、簡単だと思ったわけでもありません。
「ラビは避妊手術のあと、僕がリリースしたんだよね・・・・・・」
日比さんの抱える重荷も知りました。
起死回生の満塁ホームランは打てません、村に取り残された数多の命を丸ごと幸せにするような。
ずっと前からたくさんの犬猫を保護している団体や人に比べれば、チリほどの微力です。
でも、チリも積もれば山になるかもしれませんから。
人の力を必要としている猫はまだまだたくさんいますから、被災地には。
初心者の僕がラビを幸せにできたらなら、誰かが「私も」と思ってくれるかもしれませんから。
来春、ラビのえさ場の近くで放射性廃棄物の焼却施設が稼働します。
日に100台ものトラックが、すぐ脇の道路を行き交うことになります。
道路はラビの生活スペースの一部です。
今はラビを保護できてホッとしています。
ラビの飯舘村での生活は終わりました。
2014年11月30日~12月1日
「出しなさいよ、狭いところはきらいよ」
福島から東京まで抗議はつづきました。
そして、東京でのラビの幸せ探しの旅がはじまりました。
1日目 12月1日
「ゴロゴロフミフミ」
環境の変化への戸惑いは、ごくわずか。
3段ケージ内に用意した毛布でフミフミ。
3日目 12月3日
★動画「フミフミドスコイ」
7日目 12月7日
★動画 「カリッポリッカリッポリッ」
いつから家にいるんだっけ、きみ?と思わせる日々。
しばらくは家で骨休めをしたらいいよ。
ラビの魅力は里親募集サイト「いつでも里親募集中」でもお伝えしています!
ぜひご覧ください。
『フミフミ大好き♪ぷっくりマズルのまん丸キジトラ猫』
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