縁の下のクロちゃん(2021/3/31)別れ

クロちゃん

2019年12月11日

とある餌場の常連「クロ」ちゃん。
縁の下からちょこんと顔を出すのがクロちゃん流のお出迎え。
私がウェットフードの入ったお皿を持って近づくとクロちゃんは隠れます。
私が遠くに行ったのを確認して、彼女ご飯を食べはじめます。

クロちゃん

昨年の夏頃からだったと思います。
私は、飯舘村にいる2日間とも、クロちゃんの餌場を訪ねるようにしました。
時間に追われ餌場の維持が目的となり、猫の心に寄り添えていないのではないかと私は感じていました。
甘えられる人がいる、撫でてくれる人がいる、それは猫の暮らしに喜びが増えること。
経験上、猫は人と仲良くなると表情が豊かに穏やかになります。
私はクロちゃんが心許せる存在になろうと思いました。

顔を合わせる回数が増えても、クロちゃんはなかなか気を許してくれませんでした。
クロちゃんが私の目の前で縁下から出てくるまでに、半年ほどかかったかもしれません。
しかし最近のクロちゃんは、日向ぼっこする姿を間近で見せてくれました。
クロちゃんなりの親近感に、私の頬は緩みました。
近い将来、布団で丸まる彼女の姿を想像していました。

クロちゃん
クロちゃん

2021年3月10日

2021年3月31日、クロちゃんは息を止め横たわっていました。
おそらく風邪をこじらせてしまったのだと思います。
クロちゃんにはじめて触れながら、私は悔しさと悲しさと申し訳なさを感じました。

クロちゃんは、彼女が暮らした餌場から見える梅の木のたもとに眠っています。

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