【25】うた

うた

2014年12月30日

この頃、飯舘村では猫が野生動物に襲われる事件が多発していました。
私はうたが心配になり、うたの保護を飼い主に申し出ました。
「誰にでも懐っこい良い猫なんだ」うたは飼い主自慢の猫でした。飼い主は家族会議の末、うたを私に託してくれました。
この年うたの家は除染されました。放射線量は人が住んでもよいレベルまで下がりませんでした。土壌も酷く汚染されていました。
除染の結果、飯舘村への帰還が霞んでしまったのも、飼い主がうたとの別れを決めた要因のひとつかもしれません。
飯舘村では、犬猫と家族の離別は珍しくありませんでした。
2016年の桜の季節、うたは新しい家族との暮らしをスタートしました。

関連記事一覧