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大雪から10日目の村 その3

7軒目 Hさんが気にかけている親子猫の家@12:30

とある原稿のために親子猫の写真を撮りたいと、お昼休憩前最後のポイントとして訪問。
前回同様に敷地内は雪に埋もれたまま。

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村のそこかしこで見かけるつらら。
日中はあたたかな陽射しが降り注いでも、日が落ちれば気温がマイナスになる日が続いています。
まだまだ犬猫にとっては厳しい季節。

「餌を置いて離れた場所で待っていると、猫がでてくるよ」と以前Hさんが話していた言葉を思い出し、待つこと数分。

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あれっ?
前にも会った気がするけど、きみは大人のオトコ猫だね…

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あれあれ…きみも大人のオトコ猫だね…

ふたりともどうぞごゆっくりお食べくださいませ。

猫相手の撮影では、こういうことはよくあること。
母猫と子どもたちの姿が見えないのが気になります。
オス猫に追い出されてしまったのだろうか…
猫の世界では縄張り争いは普通こと、人間の思い通りにコントロールすることはほとんど不可能だと思います。
しかし、ここは猫のエサが限られた人の住めない村、なんとかどの猫もエサにありつけますように。
※Hさんのブログで子猫2匹が姿を見せてくれたのを確認。

 

お昼休憩のため役場へ向かう。
役場に続く道路は2車線分きれいに除雪されていました。

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役場に到着@13:10

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先日の大雪は青いという話を聞いていましたが、飯舘村でも。

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Izumiさんのお母さんが作ってくださったお弁当!いつもありがとうございます。
うまうまでした!
ごちそうさまでした。

 

さぁ、午後の部スタートです。

8軒目 ハイジの家@14:20

このあたりの道路は、まだ除雪が不完全で少し離れた場所に車を停めて、「かんじき」をはいてテケテケ。

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この日の最高気温は9度。
雪がゆるみ「かんじき」をはいていても時折ズボッといってしまいます。
「かんじき」がなかったらと思うと…ヒザ歩きか、そりゃ辛いな。

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かわいいかわいい「ハイジ」
子猫みたいに見えますが、立派に子育てをした母猫です。
子猫の姿は見えず。

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遠くで鳴くカラスを見つめながら、「メシ狙ってるのか」と女子二人。
ハイジの毛はすごーく滑らか!なで心地NO.1(当社比)。

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「カラスやーねー」と目で会話。

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足のうら
萌える

ずっと一緒にいてあげたいくらいかわいいのですが、まだまだ続きがありますから行かなくてはなりません…後ろ髪を引かれます。

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「まってー」
帰ろうとする僕らを追って来たハイジ。
ハイジ、かわいいよー

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雪の上に一歩。しかし、ズボッ。
「・・・」

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「こりゃアカン」

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「ハイジかえるわー」

ハイジー、かわいいよー、また来るよー、バイバーイ。

ハイジの餌場には、猫のものではないフンが落ちていました。
いくつかの食器も遠くに飛ばされていました。
カラス、たぬき、きつね、ハクビシン、アライグマ、猿、イノシシ…さまざまな野生動物もまた村で生きています。
人がいる間はのどかに感じられる場所でも、人のいない長い長い時間はいつ何が起こってもおかしくありません。
そんななかで子猫を育ててきたハイジ。
そんななかで生き続けているハイジ。
華奢で穏やかそうに見えるハイジも、実は厳しい環境のなかで強く生き抜いてきた子。
どうか彼女が心安らげる時間が、少しでも多く流れますように。
いま僕が彼女にしてあげられることは、たまに訪れることしかありません。

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大雪の傷跡。

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原発事故の傷跡。
除染で削り取られた大地は、雪で覆われどこまでも平ら。美しく見えますがそれは偽り。

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原発事故の傷跡。
この傷跡はいつか消すことができるのだろうか。
僕らが無関心でいる限り消えることはないでしょう。そして、僕らが目覚めたとしても生きている間に消えることはないのかもしれません。

 

9軒目 松塚のゴンの家@15:20

犬の「ゴン」は村内のシェルター預りになったため、納屋に居ついた猫の給餌へ向かいます。

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(撮影:Izumiさん)
スロープには雪があつく積もっています。もちろんここでも「かんじき」が大活躍!

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人の手の入っていない場所は、いまだに大雪が猛威をふるったまま。
雪がゆるみ、屋根からの落雪や胸の高さまでズボッと埋まってしまうなど危険がそこかしこに。

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手付かずのフードが残っていました。
凍りついたウェットフード…
猫はもうここにいないのだろうか…それとも大雪でどこか別の場所から戻ってこれなくなっているのだろうか。
どうか無事に大雪を乗り越えていてくれますように。

僕らは本当に無力です。
猫がそこにいてくれれば、少しは何かをしてあげられるけれど、いなければ何もできません。
だから、いつも会えた時には「生きていてくれてありがとう」と感じます。
会えた時にできるだけのことはしてあげたい、いつ何が起こってもおかしくないここではまた会える保証なんて何もないから。

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屈強散歩の良い相手だったゴンは、シェルター生活を楽しんでるかな。

 

別のカメラでもう一度、
浅草・銀次親分日記「きみに春あれ 5:猫」[こちら

 

つづく

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。

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