14/8/17 飯舘村 猫撮るレポート3：主役

今更レポートは更につづきます…

■長泥バリケード前

風にはためく鮮やかなリボンは除染対象の目印。
咲き誇る花たちは、もうすぐいなくなってしまいます。

仄暗い牛舎にひっそりと作られたえさ場。ここに暮らす猫たちの命をつないできました。

気配を消す名人だね。
待っていたのか、やってきたのか、定位置のトラクターの下にいつの間にか佇む母猫。

この子が春に産んだ子たちは、福猫舎の犬班A。さんが保護の後、チーム銀次のあやこ隊長とセリさんが里子に出しました。
母子を引き離すのは辛いこと、しかしここで子猫たちが無事に育つ保証はなにもありませんでした。

僕が食べ物を持ってきたことをわかっています。
恐れと期待の入り混じった目。

モグモグ。
人が来るとウェットフードが食べられる。
彼女の記憶が人との距離を縮めてくれるのではと期待します。

あやこ隊長＆セリさんは、ただいま飯舘村の別の場所で保護された子猫を保護し家族を探しています。
愛嬌満点美猫4兄弟も、残りは「富士子」ちゃんだけとなりました。
ルックスも性格もよいことが里親希望者に「この子は家族が見つかりそうね」という安心感を与え、結果ポツン…
残り子猫には福がある！
東京のイーストサイドにお住まいの方は、スライム模様と手袋が特徴的な富士子ちゃんの家族になれますよ。
詳しくは「富士子ちゃん　里親募集中」を御覧ください。

富士子ちゃん
あやこ隊長＆セリさんが、「あなたの猫撮る（仮）」のモニターにご参加くださり、富士子ちゃんを撮影させていただきました。

■ムクの家

「あたしチャビよ。最近、処世術を覚えたのよ、ふふ」

「あなた、三毛猫好きよね？男はだいたいそうよね」
ホントかよ
「撫でてもいいわよ」

ゴシゴシ
前に会った時は人を見ると全力逃走していたのにねー

「おい、ここの主はムクさまだぞ！」

「・・・・・・」
マメの家で見かけたことのあるフサフサだ。

「裏まで除染が進んだぜ」

「裏も除染もいいから、あたしを撮りなさいよ」

「あたしかわいい」

「いまね、トンボを捕まえて食べたのよ。かわいいだけじゃ、生きていけないのよ」
ムクが引いてるよ。

「主役はあたしね」

「カメラはどこなの？あ、そっちなのね」

「黒い袋邪魔よね、せっかくのあたしの美貌が台無しよね」

「あなたいいカメラ使ってるじゃない。あたし一眼レフじゃないと燃えないわね。黒い袋とか邪魔なものはボカしなさいよ、あたしが主役なのよ」

「あいつウザい」

不仲なの？

「ふんっ」

除染。
この夏の飯舘村を象徴する二文字です。

今や村の風景の主役となったかに見えるグロテスクな黒い塊。
村のいたるところに出現した黒い山の向こう側には、どんな世界が・・・・・・

［つづく］

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2014年4月から6月までギャラリー・エフ浅草で開催した写真展のオリジナルポストカード。
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猫撮る家のキジトラ軍団の子猫時代の写真を使った、おもわずにっこりのポストカードです。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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