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大雪から10日目の村 その4

気がつけばすっかり日は傾きはじめています。
まだまだ回りたい家がたくさんありますが、日没は17:30、残り一時間半と少ししかありません。

 

10軒目 噛む犬タロウと猫たくさんの家@15:50

道路から犬猫の居る場所までが遠いこのお宅、前回はたどり着くだけでひと苦労でした。
しかし、前回との大きな違いは「かんじき」があることです!

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あれっ、ねえさんねえさん、手に持ってるのおかしいよ。ズボッといってるじゃんよ。

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あきらめた。

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こぶし大の獣の足跡を発見…なんだろう子熊かな、怖いな。

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こんにちは。
なっこい組のアメショミックスちゃん。誰かに似てるんだよな…誰だろ、気になる。

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タロウだワン。
遠くで吠えているときは怖いんだよな~、でもしっぽフリフリなんだよな~。
かまってほしいんだよね~、ご飯とおやつが欲しいんだよね~。
わかった、ちょっと待ってね。

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おやつ持っていたら、この顔w
単純でかわいいワンだぞ。
ちゃんとおすわりもできるんだよね。

猫撮るなので、犬には全く詳しくないのですが、タロウに何度か会ってみて感じるのは怖がりなのではないかということ。
でも、いまは生きていくために知らない人にも頼らなくてはなりません、心を開こうとしているけれどやっぱり少し怖い。
だから、威嚇のような鳴き方をしたり、たまに人を噛んだりするのかな。
よくわからないのですが、彼には彼なりの葛藤があるのかもしれません。
大変な思いをさせていたら、すまんねぇ…

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猫班Izumi。
自転車の車輪のところに2匹のキジトラ、この前までは警戒して遠巻きにしていた子たちです。
なっこい組もっと増えろ増えろ。

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4匹達成!いいね。

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なっこくないチームにも、ほかほか銀次メシ配達。
みんなよかったね!

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いつもより遠くにいるベージュくん。
いつか仲良くなれるのだろうか、きっとなれる…はず。

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なっこい組の茶トラくんの食後。
いいところで寝てる。

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猫のことばっかりやってると、タロウがうるさいw
もういい大人(10歳以上)なんだから、落ち着きなさいよ。
うそうそ、すまんすまん。
でも、おじさんきみとワシャワシャ遊ぶの、まだ少しだけ怖いんだよねぇ。

また来るからね、みんながんばっててね。

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雪の重みでこんなに立派な木も倒れてしまっていました。

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帰り道。また手に持ってる。

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ゴール直前、ズボる。

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日没近し、先を急ぐ@16:50

 

前回、除雪が進んでいなかったために入れなかった村の南部に、どうしても行きたい家があったためここから南下します。

 

11軒目 猫ムク@17:15

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お久しぶりー
寒さをしのげる室内に避難していました。カリカリもいっぱい置いていってもらってるんだね。

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ゴロムク、いやっムクゴロ…どっちでもいいです。
愛しのムクに会えて、猫班Izumiご機嫌です。

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お揃いの前髪だよ。

ムクはいつだって真顔だよ。
鼻が大きいわけじゃないし鼻くそでもないよ、模様だよ。
おしゃれだろ。
抱っこされるのは大好きだよ、こんな顔してるけどね。

ムクの真顔を見るといつも思わず笑ってしまいます。
この顔のまま駆け寄ってきたり、スリスリしてきたり、ゴロゴロいったり。

そんなムクからは悲壮感というものを感じることはありません。
いつだって淡々と人なつっこい、きっとムクの持っている独特の雰囲気がそう感じさせるのだと思います。

でも、ムクだって人のいない時間の長い今の生活はストレスだと思います。
だって、ものすごく人なつっこいんですから。
僕らがいる間は、ほとんど側から離れませんから。

何が言いたいのかうまくまとめることができませんが、こんなにかわいい猫が愛情なしに育つことはないだろうと思うのです。

猫が寒くないようにと離れは猫のすみかとして出入りができるようにされ、室内には猫の餌場や寝床がつくられています。
今の状況で注げる飼い主の愛情を、そこには見て取ることができます。

置き去りにされた、お腹を空かせた、人のぬくもりに飢えている犬猫たちの姿。
この地では目に映る現象だけを見ると、飼い主の愛情を見落としてしまうことがよくあります。

これは自戒の念を込めて書いていますが、村に生きる犬猫の幸せについて考える時には、飼い主の想いも同時に考えることがとても大切なのだろうと思うのです。

Hさんのブログによれば、複数の村議会議員が村長や東電にペットを避難先に連れていけるように働きかけているそうです。[こちら
村民の避難からもうすぐ3年になります。
その動きは遅いのかもしれません、まだまだ弱いものなのかもしれません。
村民の力で、飼い主と犬猫が少しでも笑顔を取り戻せる未来が生み出されることを願ってやみません。

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ムク妹(推定)。
だって、なんとなく似てるよね。
この子は怖がりさん。
いつか仲良くなったる!見てろー!

もっとゆっくり遊びたいんだけどさ、もう暗くなってしまったから、またね。

 

12軒目 マメ@17:50

マメの姿は見えず。
おそらく家のなかにいたのだと思います。
室内、外の餌場ともにフードの残りあり、生き抜いてくださいね。
家の中に黒猫2匹を確認、これまでも外で何度か見かけたことのある猫たち。
この雪では野山も自由に駆け回れないからね…室内に潜んでいたんだね。脅かしてすまんねぇ。
マメは他の猫があまり好きじゃないから迷惑しているだろうけどw
黒猫さんたちも生き抜いてくださいね。

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13軒目 小春の家@18:05

すでに真っ暗で、除雪もされていなかったため危険と判断して断念。
後で、この日はHさんが給餌に行ってくださったことを知る、ありがとうございました。

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これにて、この日の活動を終わりました。

 

浅草到着@26日未明

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今回も無事に帰れたことに感謝。

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ありがとうございました。
ただいま!

 

今回の飯舘村訪問も、いつもと同じようにほんとうにちっぽけなことしかできませんでした。
今はまだ、いま以上に何をすればよいのかわかりません。
ちっぽけな経験を積み重ねるなかで、もしかしたら何か答えが見つかるのかもしれません。
あるいは、そうでないのかもしれません。
もっと言えば、僕が何かをしてもしなくても、何も変わらないのかもしれないとさえ思えます。

最近、「なぜ人は生きているのか」「なぜ命は存在するのか」ということを考えました。
先に言ってしまうと、答えはわかりません。
今のところ、自分が納得できる答えはでていません。

人がいることで、自然は汚染され地球を傷めつけている。人同士が殺しあって多くの悲しみを生み出している。
自分の愛する命を守る裏で、多くの犠牲が生まれていることに目をつぶって生きている。
最初からそもそも存在しなければ、すべてのマイナスもなくなります。
だったら、最初から存在しなくてもいいのではないか、そう思えてしまうくらいに人は醜い一面を持っています。

しかし、いま現に僕らは生きています。
だから、どう生きていくのがよいのかを考えて生きていくしかないのだろうと思っています。

自分の生きる意味さえよくわからないのに、震災や原発事故で苦しい思いをしてまで生きなければならない意味や、犬猫たちが厳しい環境で生き抜かなければならない意味もよくわかりません。

よくわからないから、せめて自分がそうしたいと思うことをやって生きていこうと考えました。
いま生きているから命に自分で自分なりの意味を持たせてみようと。

「どれだけやさしくなれるか」
それが今のところの目標です。
あ、これ文章にすると超善人ぶっていてアレですね・・・

この目標にどんな意味があるのかは、よくわかりません。
しかし、どうせみんな生きているなら、みんなが笑顔でいられる世界の方がいいのかなと思います。
これまでの経験上、意地悪されるよりやさしくされた方がうれしかったから。
そういう世界をつくれるように何かをしたいと思っています。

いま飯舘村に行っているのも、犬猫がかわいいくて少しでも彼らに喜んでもらいたいから。
その結果として飼い主の役に立てればうれしいから。
みんなで笑っていられる世界をつくるために、笑っていられない村のことを伝えて、犬猫のこと村民のこと、もちろん原発のことを変えていきたいから。
これがいま自分で考えた、自分が生きていることの意味のひとつ。

このことを書いているとまとまるはずがないので、このあたりでバッサリと終わります。
長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

別のカメラでもう一度、
浅草・銀次親分日記「きみに春あれ 6:ムク」[こちら

 

おわり

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。

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