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戦争の記憶と銀次親分に会った日@浅草ギャラリー・エフ

8月16日、ふらっと浅草までひとり旅。
あ、電車で1時間と少しなので、旅ってほどのものではございませんね…

でも、観光客気分で撮ってみましたよ。

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夜景が素敵だったので、用事を済ませたあとに撮ったものですけどね。

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目的地看板なり

看板猫・銀次親分のいるギャラリー・エフさんにて、8/15から開催中の、

ポーレ・サヴィアーノ写真集『FROM ABOVE』のための
夏の図書室

詳しくはこちら>>

にお邪魔して来ましたよ。

まずは、写真集のご紹介。

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ポーレ・サヴィアーノ写真集
FROM ABOVE

今、同じ空の下に生きるすべての人へ。
広島、長崎への原爆投下。東京、ドレスデンでの大空襲。
そして南太平洋で行われた水爆実験。
米国人写真家ポーレ・サヴィアーノが各地を訪れ、
“あの日”を生きた人々と向き合い記録した、51の肖像と証言を収録した一冊」
(ギャラリー・エフWebサイトより)

写真集について詳しくはこちら>>

 

会場は江戸時代末期1868年に建てられた
手にとって見ることができる写真集と、7枚の新作プリントが展示されています。

「FROM ABOVE」プロジェクトでは、戦争の記憶を忘れないために、同じ過ちを繰り返さないために、写真集の出版にとどまらず、これまでも広島、長崎そして浅草でポーレ氏の写真展を開催してきました。

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ここで、僕は素敵な写真たちと出会いました。

許可をいただけたので、ポーレ氏の写真を掲載させていただきます。

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■森本さんの壮絶な原爆体験

「ウエスト森本登美子」さん

広島で原爆投下を体験された方です。当時13歳だったそうです。

会場に用意されていた、森本さんの証言をまとめたテキストを読んで、あまりの内容に僕の想像力はまったく追いつかず、リアリティを感じることができませんでした。
その一部を転載させていただきましたので、ぜひお読み下さい。

「海原に射す朝日のような巨大な閃光が走り、あらゆる建物が吹き飛び、崩れて来た。訓練されてきたように、きつく目を閉じ、耳を塞ぎ、内臓への圧力を逃すために口を開いた。舞い上がって町を覆う粉塵を避けて防空壕へ逃げ込み、燃え盛る町を見つめながら一夜を明かし、安否の分からぬ家族の迎えを待った」

「死体で埋まった川を見やりながらいくつもの防空壕を訪ね歩いた。6つ目の壕で負傷した祖父母と再開した。祖父の背中にはガラスの破片が突き刺さっており、8月26日に壕の中で死亡した。祖母も後を追うように息を引き取った。死体が軍に回収されるのを拒み、印刷所にあったガソリンで祖父母の遺体を燃やした」

「母は建物の下敷きになって焼け死んでいた」

「放射能障害に苦しみ、子供を生めない体になった」

■森本さんの写真を見て感じたこと

写真は2012年に撮影されたものです。
原爆投下から67年の月日が流れているとはいえ、
「これだけの体験をしてもなお、人は笑うことができるんだ。命は強いな」
と、この写真を前にして希望を感じることができました。

福島の被災地で会った犬や猫の笑顔や喜びの表現に惹きつけられたのも、そこに命の強さを垣間見たからだったのかもしれないなと、ふと思い当たりました。
僕が感じたことを、僕が撮った写真で誰かに感じてもらえたら素敵だな、そんな写真を撮っていきたいなと、自分の未来が少しだけ鮮明なものとなりました。

そして、この写真を撮ったのはアメリカ人の写真家です。
原爆を投下した国の人です。
もちろんポーレ氏が原爆投下をしたわけではないので、彼を憎む理由はありません。
それを頭では理解していても、感情がついてこない人も少なからずいるだろうと想像します。

しかし、ポーレ氏の写真からは、そんなネガティブな感情は伝わってきません。

■ギャラリー・エフ Izumiさんに聞きました

ポーレ氏とともに「FROM ABOVE」を創り伝え続けているギャラリー・エフのIzumiさんに話をお聞きしました。

はじめはポーレ氏が広島、長崎の被爆者の方の写真を撮ることに反対したそうです。
そんなに簡単に踏み込むべきテーマではないと。
しかし、ポーレ氏の撮ってきた写真を見て、このプロジェクトを進めることに前向きになったということでした。

被爆者の写真を撮りたいという写真家は山ほどいて、実際にこれまでに山ほどの写真家が撮影をしてきました。
しかし、撮ったものがどこでどう使われているのわからないなど、撮り荒らされている状況もあり、今ではこうした撮影の一切を断る被爆者団体も少なくないということです。

しかし、ポーレ氏は撮影した被爆者の方にとても好かれ、受け入れられている。
来日すると、写真展の会場には被写体となった方たちが集まり、大歓迎される。

 

面と向かいポーレ氏が築き上げてきた人と人との関係が、これらの写真に映しだされているのだろうと思います。
そう、結局は人と人の関係で、道は開けるのだと思います。

あ、最後の部分は僕の感想です。

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ギャラリー・エフのIzumiさん。
「表情が硬いですね」と言ったら、

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笑いました。
なぜだろう?

■Izumiさんにつていも書いてしまおう

Izumiさんは、とても素敵な方です。
自分の目で見て、自分の体で体験し、自分の頭で考え、自分の心で感じることをとても大切にしている。

福島の被災地の「希望の牧場」「やまゆりファーム」へ牛の世話をするボランティアに行ったり、飯舘村に犬猫の給餌に行ったりの経験もあります。

「忘れてはいけないこと(忘れゆくもの)、失ってはいけないもの(失われゆくもの)、見ようとしなければ見えないもの」というテーマで、これまで数々の展示やイベントを開催してきました。
福島の原発事故被災地にも強い関心を持たれており、今年4月には「やまゆりファーム」の報告会も開催しました。

僕がIzumiさんと知り合ったのは雑誌の取材でのことでした。
その後、原発事故被災地という共通の関心事について、主にメールでお話をするうちに友人となりました。
今回、友人であるIzumiさんを通し、広島と長崎への原爆投下に触れることで、恥ずかしながらこれまでどこか遠い出来事のようにしか感じられなかった原爆をよりリアルに感じることができました。
顔と顔を合わせて語り継ぐことの大切さを実感する、貴重な体験をさせていただきました。
Izumiさん、ありがとうございます。

Izumiさんのお人柄ついては、ブログ「浅草・銀次親分日記」を読まれると、ジワジワ伝わるのではないかと思います。

■看板猫・銀次親分

鋭い方は、もう既にお気づきかもしれまえせんね。
猫撮るなのに猫が登場していないことに。
エフの看板猫・銀次親分が登場していないことに。
でもね、僕が到着してからここまで、本当に銀次親分はお店に姿を見せていなかったのでござるよ。

夕方になり、Izumiさんが突然大きな声で
「みんな下でお茶飲んでるよ~」とか、
「銀さんだけいないなぁ~」とか、
あることないこと(ウソです)…あとは忘れましたが、
2Fでお休み中の銀次親分に聞こえるように色々叫んでいました。

「そんな子供だましみたいな作戦が通用するんですか?」
通用します

 

あ、ホントだ!

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銀次親分が登場しなすった!

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銀次親分(大)

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あ、そういえば、「学芸員:銀次」って書いてあった@蔵

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ということで、蔵でのお仕事風景をIzumiさんが演出してくれました。

しかし、猫は自由を愛する動物です。
何事も自分の思うがままが基本です。

そうそう思惑通りにはいきません。

銀次学芸員は、明らかに気が乗っていないご様子です。
ごめんなさいm(_ _)m

しかし、カフェでは接客モードなり。

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輝いてるぜ!燃えてるぜ!

「親分親分、納豆とベーコンのクリームソース スパゲティとバナナジュースをお願いします」

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「納豆とベーコンのクリームソース スパゲティ」
エフさんのおすすめメニューです。

卵をかけるか、納豆にするか、これは日本人の多くが何十年も抱え続ける悩みのひとつです。(おそらく)
このスパゲティ、なんとこの悩みをあっさりと、いとも簡単にクリアしています!
と、ふざけた解説はやめます…

僕は本当に卵も納豆も好きなのですが、これまで2つを共存させることを試みたことがなかったので、いたく感動しました。
納豆に絡まる濃厚卵…これアリだったんだ…いやー美味しかった。
ご来店の際には、ぜひお試しあれ!

■銀次親分の点滴タイム

おーっと、ここで銀次親分の点滴の時間がやってまいりました。
銀次親分、腎臓の調子が良くないとのことで点滴が日課です。
特別にその様子を見せていただきました。

子供サイズのフリースで、クルクルっとくるまれるのが銀次親分の点滴スタイル。
背中にジッパーがくるように包まれます。

あ、この段階に来る前に、銀次親分ご飯を食べたり、トイレに行ったり、ご飯を食べたり、時間稼ぎをしていました。
逃げることはないけど、自分のタイミングで点滴を受けたいということで、毎回毎回点滴前は時間稼ぎをするそうです。
なんてかわいいの♡

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包まれ親分♡

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背中のジッパーを開けて、点滴の針が刺されます。
男銀次、さすがです!ジタバタしたり、泣き事も申しません。

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点滴終了。
やや不機嫌そうに見える。

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しかし、すぐに輝きはじめましたよ!
さすが男銀次親分です。

 

親分の男っぷりを見て、僕の心は満たされたました。

ポーレ氏の写真を見て、写真集も手に入れ、心満タンになりました。

ギャラリー・エフのみなさま、銀次親分、そしてポーレ氏、ありがとうございました。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
またのお付き合いを、よろしくお願いいたします。

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