チビと千夜

「千夜」
2014.5.6 福島県飯舘村

「千夜」ちゃんは、変顔「チビ」の相棒。
近所から流れてきて、チビの餌場に居着いた女の子です。

車の音に軽快に近寄ってくるものの、私の数メートル手前で右か左にカーブ。
元野良猫と思われる彼女は、飼い猫のチビより人見知り。
それでも、何度も会ううちにこっそりなら触れるくらいまでなりました。

 

 


2014.5.13

チビ千夜コンビは、飯舘村の犬猫を知る人の間ではちょっとした名物。
千代ちゃんは、チビの後をついて回っていたものの、実は控え目でも弱くもなく、チビとのボクシングはよく目にしました。勝負はだいたい互角。
隠れ場の納屋から二匹並んで登場する様も、前触れなくはじまる取っ組み合いも、どこか笑いを誘いました。

千夜ちゃんもチビも、顔を出す率100%。
ご飯だけでなく人の訪問をよろこんでくれていたように思います。
コミカルな雰囲気に、この子たちは元気に生き続けるような錯覚に陥りましたが、千夜ちゃんは猫風邪をこじらせ生死の境のような姿で保護されました。

何か起こってから後手にまわっての保護。
そうならざるを得ないほど、飯舘村の犬猫レスキューに取り組む団体はキャパシティいっぱいまで猫を抱えていました。
そして、何年もその状況が続いています。

今、家には長く飯舘村で野良猫ぐらしをしていた「シマジロー」と「サイ」ちゃんがいます。
現地でボランティアの方々からごはんをもらううちに、人との距離を縮め半年余りですっかり家猫になりました。
2匹とも当初の若干の警戒心や猫かぶりを捨て、日々ダラダラしたり自己主張したり。
緊張を強いられる環境よりも、リラックスできる環境のほうが暮らしやすいに決まってますよね。

現地には、いまだ保護を待つ猫がいます。
すでに保護され、シェルターで家族との出会いを待つ猫も数多います。
犬猫がシェルターを卒業すれば、保護枠ができます。

犬猫との暮らしをはじめようと考えている方は、「保護犬猫を家族に迎える」も選択肢に入れていただければと思います。
どこで生まれ育っても、どんな顔をしていても、みんな輝かしい資質を秘めた命です。

 

 


(ほっぺにマダニ氏)

「チビ」→「千陽介」くん
2014.5.13/2014.6.3 福島県飯舘村

三白眼しもぶくれ。通称「変顔のチビ」は、飯舘村を訪れるボランティアの間でなかなかの人気を誇っていました。
相棒の「千夜」ちゃんと並んで、隠れ家の納屋から悠々と登場。
撫でられるのはやぶさかではないものの、「ごはん、早くしろや」な空気を漂わせる彼は、悲壮感の欠片も感じさせず。
同敷地にいたわんこに近づく私の後につづき、「わいのほうがえらいねん」とばかりに猫パンチ。
「わんこが繋がれてないと、チビはわんこに近づかない」と後に聞き、実は計算しての行動なんだと関心。

どこかコミカルな雰囲気に包まれたチビ。
決して小さくない…むしろ堂々たる体躯、なのにチビ。

訪れると必ず顔を出したチビ。
行けば必ず会えると思っていたチビ。
しかし、彼は何度か姿を消しました。
保護されたきっかけは大怪我。

チビがどんなに飄々として見えても、人の暮らさぬ庭は陽が落ちれば野生が跋扈する闇の世界。
チビは必死に生き延びていたのだと思います。

現在、彼は東京で幸せに暮らしています。

 

春の写真展に、チビの里親さんが来てくださいました。
名前を「千陽介(ちびすけ)」と改め、先住の女の子たちとうまくやっているとお聞きしました。
里親さんのタブレットの中にいる彼の表情は、村にいた頃より柔らかく緩んで見えました。

2017年3月末の避難指示が解除から、1年余り。
飯舘村の帰還率は15%程度。その多くが高齢者です。
少しずつかつての姿を取りもどそうとしているものの、現地には人が暮らすためのハードルがまだまだあります。
事故から7年。人々の暮らしが損なわれ、亡くなってしまった方も少なくありません。
原子力以外にも、発電方法はたくさんあります。
原発の再び稼働しはじめた今、改めて自分たちの国の将来を考えたいと思います。

避難解除後も、それまでと大きく変わらぬ状況に置かれている犬猫も少なくありません。
現地には、いまだ保護を待つ猫がいます。
すでに保護され、シェルターで家族との出会いを待つ猫も数多います。
犬猫がシェルターを卒業すれば、保護枠ができます。

犬猫との暮らしをはじめようと考えている方は、「保護犬猫を家族に迎える」も選択肢に入れていただければと思います。
どこで生まれ育っても、どんな顔をしていても、みんな輝かしい資質を秘めた命です。

 

「Call my name 原発被災地の犬猫たち」の写真展会場のみで販売していたグッズの、ネット販売をはじめました。

https://nekotoru.theshop.jp/

・写真展パンフレット
2018年版の展示の全写真とキャプション収録
・猫の形ポストカード
・猫の形しおり

福島の被災地での撮影や、写真展の開催にはお金がかかります。
現状、別の撮影で得たお金を、被災地での活動に当てています。
今後は被災地に関する活動からもできる限り収入を得て、活動の質量を高めたいと考えています。
私の活動や写真と記事をご支持いただけたり、価値を認めてくださる方は、グッズをご購入いただけますとうれしいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

被災地の犬猫については、Instagramでも発信しています。
フォローいただけますと、うれしいです。
@nekotoru_pj

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)